本日、3月末日です。
年度末を迎え、私のもとにはすでに何名かの方から退職のご連絡(メール)をいただきました。
どなたからご連絡をいただいてもそのたび驚いてしまうのですが、気持ちを落ち着けながらその方との出会いからこれまでをしばし振り返り、お返事をさせていただいております。
そして、人との出会いというのは本当に奇跡のようなものだ、と痛感させられます。
仕事での出会いから始まり、最も付き合いが濃密になっていくのは得意先や取引先よりもやはり、「同僚」でしょう。
上司や部下といった役職の上下とは関係なく、同じ組織に属している同僚というのは一緒に過ごす時間も長くなりますし、仕事での関係性も他の関係者よりも強くなるのが一般的です。
そしてその分、良いことも悪いことも目に付くのが同僚です。
夫婦関係がそうであるように、どちらかと言えば良いことよりも悪いことの方が記憶や印象に残りがちになってしまい、結果として同僚に良い印象を持てない、ということも起こるのが組織での職場環境ではないかと思います。
私があちこちの学校にお伺いして感じることは、概して同僚に対する評価がどなたも厳しい、ということ。
これは学校に限ったことではなく、先に述べたように、同僚たるもの、そのような評価をしがちであるということなのだろうと個人的には思っています。
ただ、その感情が少しずつエスカレートしていくと、
「あいつには何を言っても駄目だ」
「成長なんて期待できない」
といった諦めの気持ちが自らを支配してしまい、結果、
「人を入れ替える以外に職場を活性化する方法はない」
との極論に至ることも珍しくないような気がします。
事実、私はあちこちの学校でこのような意見をお聞きしますし、前後の文脈も含めればそう思いたいお気持ちも分からなくない、というお話も多いのが現実です。
それを理解したうえで、それでも私は、組織活性化は「人を替える」こと以外の方法を持たねばならない、と痛切に感じています。
組織が人を雇用する際、一定の評価をしたうえで雇用を決定することがほとんどだろうと思います。
その評価が絶対評価か相対評価かは別として、組織の一員としてともに頑張ろう!との決意のもと、雇用契約を結ぶわけですから、そこにはひとつの「覚悟」がなければならない、とも思います。
数回の面接と筆記試験だけではその人の本性は分からない、それはその通りですが、一度意思決定した事柄はそれほど簡単に覆してはならない、というのは経営の鉄則ではないでしょうか。
とすれば、雇用した人物に活躍してもらうために(それは何より組織のためになるわけですから)、どんな方法があり得るのかを真剣に考察する必要があります。
ある方法を思いつき、それを実行し、それでもうまくいかなければ別の方法を考え、それを実行する。それでもうまくいかなければさらに別の方法を…
それは、「あんな奴、辞めちゃえばいいのに」という安易に陥りがちな感情との闘いです。
ですが、出会いは奇跡。
そのくらいの努力はしてもいいのではないか、というのが私個人の考えです。
そう言っている私も、自社の組織づくりがうまくいっているとは言えません。
一度雇用したメンバーも早々に退職してしまい、来月新たに1名が、さらに5月にもう1名が入社する予定ですが、そのメンバーに私の想いが伝わるかどうかは全く分かりません。
ですが、当社もまた入社選考を行った以上、共に働くことを意思決定したメンバーには、長く当社で働いてもらえるように、いろいろな手を尽くさねばならないと思っています。
これまでの経験を通じて、いかなる事業経営者であっても、組織づくりには苦労されるものだということは分かりました。
逆に、必ず苦労するその組織づくりで、安易に人の入れ替えを実行してしまうか、それともメンバーの成長を実現するかは、その組織の強さを最も明確に表しているような気もします。
出会いと別れの季節、その奇跡を組織の強さに変えられれば申し分ないですよね。
というわけで、2016年度は「組織づくり」をテーマにセミナーを開催します。
最重要経営資源は人材。その人材のパフォーマンスを最大化するのが組織力です。
組織力は御校の経営力を大きく向上させるカギであることは間違いありません。
ぜひともご参加ください。