始まりましたね、高校野球。
学校関係者の皆さんにも、高校野球ファンが数多くいらっしゃることでしょう。
その素晴らしいプレーにも心打たれますが、それに負けず劣らず感動を呼ぶのが選手宣誓。
今回の選手宣誓もまた、胸が熱くなるものでした。
【センバツ】熱戦開幕!小豆島高校・樋本 尚也主将の選手宣誓全文を掲載 | ニュース 高校野球関連 | 高校野球ドットコム
以下、全文を引用させていただきます。
今から92年前
第1回 全国選抜中等学校野球大会が開催されました
その翌年に創部された僕の野球部は
来年の春 高校の統合に伴い
新しく生まれ変わります
当たり前にあった景色がなくなる
その重みを僕たちは忘れたくありません
当たり前にある日常のありがたさを胸に
僕たちはグラウンドに立ちます
そして支えてくださる方々を笑顔にできるよう
気迫を前面に出し 全身全霊でプレーすることを誓います
宣誓したのは小豆島高校の主将、樋本尚也君です。
小豆島高校は今回、21世紀枠での出場ですが、調べてみたところ、香川県大会は甲子園常連校の高松商業や尽誠学園を自力で破って優勝、四国大会は準々決勝敗退ながら1点差と、実力で甲子園出場をもぎ取ったに等しい戦績です。
部員は17名、しかも全員が島の出身ということで、単に甲子園に出場したということ以上の価値がそこにはあるような気がします。
一方で、小豆島高校は来春、土庄高校と統合され「小豆島中央高校」に生まれ変わります。
小豆島も過疎化が進み、やむを得ない合併が行われる、ということなのでしょうか。
それでも母校がなくなるという一大事とその喪失感たるや、甲子園出場という快挙をもってすら消えない大きなものであろうと思います。
「当たり前にあった景色がなくなる」
そのことを、私たちは十分に理解し、かみしめることができているでしょうか。
失ってからでないと分からない…というのでは遅すぎる、そんな貴重な日常が、私たちの目の前にはたくさん広がっています。
私自身は職業柄、私学の経営永続を支援させていただいていますので、今回の宣誓にあった内容は特に胸に響きました。
ですが、学校がなくなることだけでなく、当たり前の日常がどんなに貴重で有難いものであるか、それは誰しもがかみしめるべきことでしょう。
いつもながら、高校生の純真に教えられることがたくさんあります。
今回の甲子園はさらに特別かもしれません。
熱戦を感じながら、自らの役割を改めて強く認識し、当たり前にある日常のありがたさをかみしめていこうと思います。