ずいぶん前に出た調査結果なのですが、HPのアップが最近だったということで、本日はこの話題をお届けしましょう。
平成27年度私立幼稚園の子ども・子育て支援新制度への移行に関する意向調査の結果について:文部科学省
記事の本文にも記載があるのですが、本調査結果は今年10月21日の子ども・子育て会議で公表された資料ですので、すでにご存じの方も多いと思います。
ざっと内容を押さえておきましょう。
【新制度への移行状況について】
・平成28年度に新制度に移行:6.3%
・ 〃 移行を検討中:3.3%
⇒幼保連携型認定こども園に移行:2.6%
幼稚園型認定こども園に移行:2.3%
幼稚園のまま移行:3.7%
・平成29年度以降、新制度に移行(または移行を検討中):14.2%
・将来的にも新制度に移行する予定はない:14.9%
(参考)平成27年度までに新制度に移行した私立幼稚園は全体の23.2%
【新制度への移行を検討するに当たって懸案と考えている点(複数回答可)】
○「平成29年度以降、新制度に移行するか状況により判断」を選択した私立幼稚園
新制度への移行に伴う事務の変更や負担増大等に不安がある:70.3%
新制度の仕組みが十分に理解できない:48.0%
市区町村との関係構築に不安がある:25.3%
施設の収入の面で不安である:64.6%
所得に応じた保育料になるなどの利用者負担の仕組みに不安がある:48.8%
応諾義務や利用調整の取り扱いに不安がある:62.1%
保護者の理解が得られるか不安である:39.0%○「将来的にも新制度に移行する予定はない」を選択した私立幼稚園
新制度の仕組みが十分に理解できない:31.8%
市区町村との関係構築に不安がある:17.2%
施設の収入の面で不安である:35.7%
所得に応じた保育料になるなどの利用者負担の仕組みに不安がある:30.6%
応諾義務や利用調整の取り扱いに不安がある:49.6%
保護者の理解が得られるか不安である:22.5%
新制度への移行に伴う事務の変更や負担増大等に不安がある:49.7%※ その他の主な事項
・建学の精神や園独自の教育方針・理念に基づいた教育を行えるか不安
・移行に伴う施設・設備の整備やそれに伴う費用負担について不安
・教職員の質の確保、勤務環境について不安
・0~2才児の保育やそれに伴う経営が不安等
新制度への移行、なかなか進みませんね。
その要因はなんと言っても「制度への不安」。
私もこの話はあちこちの幼稚園・保育所で耳にしますが、「いまだに制度がよく分からない」という声の大きいこと。
事務処理がどうなるのか、さらには施設の収入がどうなるのか、具体的なシミュレーションができなければ移行はなかなか進まないでしょう。
国や自治体には、しくみを整えることはもちろん、その内容について丁寧な説明をお願いしたいものです。
一方で、各園においても将来の形についてしっかり検討することが求められます。
経営の枠組みを決めるためには、その中身を考える必要があります。
どんな子供たち、どんなご家庭に対して、どんな教育、どんな保育を提供するのか。
今こそ、その議論の機会ではないでしょうか。