「木でできた学校」。
そう耳にしただけで何だかホッとするのは、私が田舎育ちだからでしょうか。
本日は文科省からの情報です。
公立学校施設における木材の利用状況(平成26年度):文部科学省
表題に「公立学校」と入ってしまってますので、まさに公立校の統計です。ご容赦ください。
文科省は、数年前から木を使った学校施設を推進しているようです。
私は当時、十分には意識していなかったのですが、2年前にこんな通知があったのを見つけました。
大阪府/平成25年9月30日 「木材を活用した学校施設づくり講習会」の開催について(通知)
大阪府のHPに掲載されてはいますが、大本は文科省からの通知ですので、全都道府県に情報は行き届いているものと思います。
木を使った学校のメリットについては、今回掲載された資料中にこんな記述がありました。
学校施設への木材利用の主な効果と意義
○学習環境の改善
・柔らかで温かみのある感触や優れた調湿効果による、豊かで快適な学習環境を形成。
・森林の保全、地域の産業や地球環境問題などについて学習する教材としての活用。○地場産業の活性化
・地域材や地場の職人の技術の活用による、地域経済の活性化や地場産業の振興。○地球環境の保全
・鉄やアルミニウム等に比べて、材料製造時に要するエネルギー量が少ない。
・炭素を貯蔵するため温暖化抑制に寄与。○地域の風土や文化への調和
・学校づくりを通じた、地域とのコミュニティ形成や木の文化の継承の機会の提供。
そして、今回の調査では次のような結果が出たとのこと。
・平成26年度に新しく建築された学校のうち71.0%が木材を使用した木の学校。うち、木造施設は21.1%(前年度から0.6ポイント増)。
・小中学校については、71.9%で木材を使用、うち木造施設は18.6%(前年度から1.0ポイント増)。
・平成26年度に整備された木造施設では、使用された木材のうち88.7%が国産材(前年度から5.0ポイント増)。
公立では木を使った学校が増えているようですね。
新築の7割が木材を使用しているとのことですが、使用割合はどの程度なのか、気になるところ。
その情報も本件資料を読んでいくと分かるのですが、「木造」ではないものの、「内装木質化した非木造施設」というのが約半分(49.9%)を占めています。
内装木質化した非木造施設、とは①木造施設以外で、②床が木質化されており、③壁または天井が木質化されている施設、を指しているそうです。かなり本格的に木を使っていますよね。
私立、特に上の学年の学校種においては本格的な木造を採り入れたケースは現時点で稀なのだろうと思いますが、学校施設そのものが地場産業や地域といった題材を扱う際の貴重な教育材料になる可能性があります。
そういう着眼点からするなら、仮に木造でなくても、自校の校舎や各種設備がどのように作られ、守られているのかといったことを学ぶことでものづくりへの興味を抱かせることは十分可能なのかもしれません。
話を大きくしたついでにもうひとつ大きく見てみれば、事務職員が携わる業務の中にも、教育内容に直接関連するものが山ほどあるように思います。
自分の経験も踏まえて言うなら、高校までは事務職員さんとの触れ合いがほとんどない状態で学校生活を送るケースが大半、というのが現状でしょう。
ですが、学校事務は非常に幅広い所掌であり、子どもたちの進路開拓に役立たないはずはない、とも思います。
今一つ進みにくい教学と事務の連携を、こんな観点から考えてみるのも一つかもしれませんね。