寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

中小、働きやすい職場競う

人材確保が経営の大きな課題になっている昨今。

学校のみならず、どの業界でもその悩みは大きくなっているようです。

そんな中で、人材確保のための工夫も広がっているようです。

日本経済新聞より。

 

中小、働きやすい職場競う 人材獲得や離職防止狙い :日本経済新聞

(有料会員限定記事となっております。ご容赦ください)

 

「景気回復などを背景に大手の採用意欲が高まる中、優秀な人材の獲得や離職防止につなげる」(記事より引用)ことを狙って、中小企業では職場環境整備への工夫がなされている、との記事です。

この記事で紹介されているしくみには、

・他社で働く人やフリーランスが正社員並みの待遇で働ける「メンバーシップオプション制度」…ほかの社員と同じ福利厚生を適用し、将来の上場も念頭にストックオプション(株式購入権)も与える

・その日の気分で出社を決められる「フリー出勤制度」…一定の営業成績を収めた翌月は週1日、好きな日をフリー出勤に指定でき、フリー出勤日は出勤扱いだが仕事をしなくてもいい

・シニア層や子育て中の女性に着目し、首都圏郊外でサテライトオフィスを新設…自宅近くに職場を設けることで通勤の負担を軽減する

・朝8時半までに出社した社員に1~2ポイントを与え、全社員合計で888ポイントたまると開かれる「朝活パーティー」…社内の喫茶スペースを使い始業前の朝8~9時、くじ引きをするなどして社員が交流を深め、コミュニケーションを円滑にして社員の生産性を高めつつ、勤務時間を前倒しして、プライベートを充実

といったものがあります。

どれもかなり奇抜ですので、真似できる事業所は限られているかもしれませんが、自社に合った取組を強みに変えるという発想は大切です。

 

人材確保のためには賃金水準を上げねば…と考える経営者は多いと思いますが、労働者として求めるものはそれだけではないはず。

何でもかんでも安ければいい、という消費者が今や数少ないのと同じことです。

人事ご担当者がよくご承知の通り、どの職場においても、最大の退職理由は人間関係をはじめとする職場環境にあるわけですから、この記事にあるように、様々な工夫ができる余地がある事業所も決して少なくはないでしょう。学校もしかり、です。

 

一方で、労働者側がより一層働きやすくなるようにとの施策が検討されているというニュースも。

同じく日本経済新聞より。

 

男性の育休促進へ助成金 女性に託児付き職業訓練 :日本経済新聞

(有料会員限定記事となっております。ご容赦ください)

 

出産後も女性が働き続けるには配偶者の協力が不可欠、との判断から、現在ほとんど使われていない男性による育児休業制度を活用した場合に企業に助成金を支給するという制度が始まるそうです。

加えて、子育て世代の女性の再就職を円滑にするため、託児所付きの専門学校などを補助金で普及させ、子どもを預けながら職業訓練を受けられるようにする制度もできるとのこと。

記事では、

経済界には「ITなどの進歩は急で、3年も休むと復職やキャリアアップが難しくなる」(金融機関)との声もある。

と書かれているのですが、これは私も耳にしたことのある意見です。

専門学校がこのような形で活用されるとすれば、学校の新たな形も見えてくるのかもしれません。

 

一方で、産休・育休の制度が整えば整うほど、一時的欠員をいかに補充するかという職場側の悩みも増えてきます。

学校においてはおおよそすべてのことを「年度」単位で考える必要がある、というのがこれまでの常識でしたが、果たしてこれをいつまでも続けられるのか、考えてみる必要があるのかもしれません。

学級担任は難しくても、他の役割について柔軟な働き方が考えられないか。

将来に向けた考察があってもいいような気がするのですが、いかがでしょうか。