世にいうシルバーウィークが終わりました。
先週土曜日から数えると5連休。
運動会シーズンでもありますので、学校ではそこまでの大型連休ではなかったかもしれませんが、それでも少しは休暇を取られた方が多かったのではないでしょうか。
そんな連休明けの本日は、少し古いニュースをお届けします。
学校でPC増やした国、成績下落…OECD調査 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
学校のPC増えると生徒の成績下落 OECD調査:朝日新聞デジタル
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教育現場へのデジタル端末の普及が進もうとしているこのタイミングで、こんな記事が出てきました。
これは学習到達度調査(PISA)の結果から導かれたもの。
2012年実施の同調査において、「数学的リテラシー」の成績が2003年からどう変化したかを国別に調べ、その結果と生徒1人あたりのパソコンの台数との関係をみたところ、1人当たりパソコン台数が多いオーストラリアやニュージーランドなどでは成績が下がり、逆にパソコン台数が少ないトルコやメキシコなどでは成績が向上する、という関係がみられたとのこと。
ちなみに日本は、1人あたりのパソコン台数が各国の中では中くらいで、成績は若干伸びていたそうです。
さらに、生徒の学校でのパソコン使用頻度と成績の関係も調べたところ、パソコンを使って測る「デジタル読解力」は、中くらいの利用頻度の生徒の成績が最も高く、最も頻繁に使う層の成績が最も低かったそうです。
この傾向はOECD全体においても、また日本においても同様であったとのこと。
各私学でお話を聞く中でも、デジタル端末の導入に関しては現場から待ったをかけられるケースが少なからずあるようです。
その原因は「端末で遊んでしまう」という懸念が主たるものである、とも感じます。
確かに、子どもは遊びの天才、ですから、道具を与えるとそれを使って楽しむことを制限するのは並大抵のことではないでしょう。
ただ、道具の普及は時間が経てば自然に進むものでもあります。
問題は、その使い方を誤らないこと。いや、それよりもむしろ、より自らのため、社会のために有用な使い方を生み出すことにあると言っていいのではないでしょうか。
今回の記事には、OECDの教育スキル局長のこんなコメントが紹介されています。
「学校は十分効果的にITを使うことができていない。日本はIT導入を慎重かつ戦略的に行ってきたことが評価できる」
「シンガポール、韓国、日本の生徒はパソコンの使用頻度は中程度だが、デジタル能力は高い。きちんと考えて利用できている」
さらに、パソコン台数を増やす施策を進めている文科省担当者も、
「単に台数を増やすのではなく、教員の指導力向上などと合わせて進めたい」
と話している、とのこと。
先生方には、デジタル端末という道具をいかに使いこなすか、という新たな教育技術の開発と習得をぜひともお願いしたいと思います。