寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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学習塾・予備校、少子化で総収入高増加率が鈍化

本日は学習塾の記事をご紹介します。

リセマムより。

 

学習塾・予備校、少子化で総収入高増加率が鈍化 | リセマム

 

帝国データバンクが公表した、「学習塾・予備校 主要34法人の経営実態調査」の結果です。

ここで「主要」とされているのは、2014年度決算の年収入高が50億円を超えていることが判明した国内の学習塾・予備校事業者34法人。つまり、大手学習塾34法人、ということですね。

 

結果の概要は以下の通りです。

○2014年度の年収入高合計額:約4,092億円5,700万円(前年度比0.5%増)

・年収入高が前年度より増加:19法人

 うち「3期連続増収」15法人、「2期連続増収」3法人

・年収入高が前年度より減少:15法人

 うち「3期連続減収」6法人、「2期連続減収」3法人

○2014年度の当期純利益(判明した32法人が対象):28法人が黒字、4法人が赤字

 うち「3期連続黒字」は26法人、「2期連続黒字」は1法人

 うち「3期連続赤字」は3法人、「2期連続赤字」は1法人

○34法人のうちの上場企業13法人の2014年度年収入高合計額:約1,544億5,100万円(前年度比1.3%増)

リセマムの記事においては、「売上高増加率の減少」に焦点が当たっているように読めます。

つまり、前年度からの売上高増加率が2012年度には5.3%、2013年度には3.1%と高い水準にあったのが、2014年度は0.5%と、かなり小さくなったことが特徴的である、との指摘です。

確かにこれも一つの特徴ではありますが、少子化を背景とした市場の縮小、全体売上高の減少はある意味不可避とも言えることです。

 

私がこの統計で強く感じたのは、「業界全体の業績は個々の企業の業績とは関連が薄い」ということ。

今回は全体売上高横ばいの中で、3期連続増収の企業が15社ある一方で、3期連続減収の企業も6社ある、という結果でしたが、業界が浮けばすべての構成員が浮き、業界が沈めばすべての構成員が沈む…なんてことは起きるわけがない、ということがよく理解できます。

 

記事に紹介されている帝国データバンクによるコメントにもこんなことが書かれています。

「国内主要法人の過半数は年収入高、利益確保を維持している結果が出たものの、今後は、さらに深刻化する少子化問題を見据え、同業他社との業務提携や経営合理化を進める法人の増加とともに、優秀な講師の確保・教育やカリキュラムにより注力することで、人件費、開発・研究費、広告宣伝費などの負担が増し、経営業績が向上する法人と低下する企業がより明確になることが予想される」

 

子どもたちを中心顧客とする学校や学習塾は今後、市場の縮小に対応することが求められます。

そしてその現象はすべての学校に対して等しくやってくるにもかかわらず、その中で業績を激しく低下させる事業体と、逆に業績を伸ばす事業体が出てくる、というのが予測できる近未来の構図です。

 

自らの学校がどのような形を目指すのか…

限られた時間で解を求める必要がありそうです。