ちょっと古くなってしまった記事ですが、賃金のトレンドを示すニュースとして採り上げます。
中小企業の賃上げ、67%が今春実施 経産省調査 :日本経済新聞
経済産業省が今年6月に実施したこの調査は、全国の中小・零細企業約3万社にアンケートを送り、7,352社の回答を集計したもの。
データの出典はこちらです。
平成27年 中小企業の雇用状況に関する調査集計結果の概要等を公表します(METI/経済産業省)
結果、全体の67.6%が今年度に従業員の賃金を引き上げた(または引き上げを予定している)とのこと。
またこのうち、ベースアップを実施した企業は26.9%と昨年度より4.7ポイント増加。
一方でボーナスを増額したのは42.7%で昨年度より2.6%ポイント減少。
記事では
「人材獲得競争の激化を受け、賃上げで人材確保を進める中小・零細企業の姿勢が鮮明になった」「ボーナスは昨年度で高止まりした可能性がある」
との分析を紹介しています。
大企業の業績が向上し、それが賃金へと反映、さらに人手不足で中小企業においても人材確保が難しくなり、規模の小さい企業も含め賃上げに踏み切る、といった流れで進んでいるように感じます。
しかしながら、そもそも中小企業の賃金水準は決して高くないため、これを上げたとしてもその結果がどの程度の水準になったのか、というのは注意深く観察する必要があるでしょう。
学校にとって「家計」の動向は重要です。
しっかり情報をつかんでいきたいところですね。
一方で学校における教職員さんの処遇については、これまである程度高めの水準で推移してきているケースが多いため、昨今の景気云々の議論とは一線を画し、むしろ少子化による収入減からその水準を下げる方向へと進んでいるのが全体的な傾向と言えます。
ただ、人材確保の観点からは必ずしもそれが正解とは限りません。
御校として「何に給与を支払う」のか、その根本への共通理解を基に給与制度の改正を実施していただければと思います。