寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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国立大の学長裁量経費、一律5%に

本日は「お金の使い方」に関する記事をご紹介します。

日本経済新聞より。

 

国立大の学長裁量経費、一律5%に 16年度予算から文科省 :日本経済新聞

(有料会員限定記事となっております。ご容赦ください)

 

御校では、校長や理事長の「裁量経費」というものを定めておられるでしょうか。

学校法人には本来オーナーは存在しませんが、法人の設置経緯上、オーナーに似た立場で学校経営に関与されている方が少なからず存在しているのも事実で、そのような場合には一定の金額や割合が裁量によって活用できるケースもあるのかもしれませんが(私の勝手な推測です)、私が関わる学校法人さんはほとんどがそのようなタイプの法人ではないこともあり、明確な裁量経費の存在は耳にしたことがありません。

 

今回の記事は国立大を対象にしているわけですが、現在、国立大は役員会で学長の裁量経費を決めている、とのこと。

そのような裁量経費があったということに私は意外性を感じたわけですが、その金額を役員会で決めているという決定過程についても認識がありませんでした。

役員会で決めるということはつまり、学校によってその金額はまちまちであるのが実態のようです。

そこで来年度から、国立大学法人の収入の柱である「運営費交付金」のうち、一般経費の約5%を、学長の判断で使えるようにするという制度改正を行うそうです。

 

以前このブログでもお伝えしましたが、2016年度から各大学への交付金が重点配分されるようになり、そのジャンルが3つに類型化されます。

このタイミングに合わせて学長の裁量経費を増やすことの主旨は「学長が大学の将来を見据えて独創的な教育や研究を進められる」ことにあると、記事にも書かれています。

 

特定の大学に重点配分された予算を、一定程度学長判断で使えるようになる。

 

大学ごとの経営力が如実に表れるしくみに変わっていこうとしているように見えますね。

 

私学はもともと独自性を大切に経営がなされるべき、と私は考えています。

このような裁量経費を一定程度確保することは、学校を活性化させる可能性があり、十分なコントロールのしくみは必要だとしても、各校でこのような予算編成がなされることをむしろ推奨したいとも思います(実際に推奨させていただいたこともあります)。

 

お金を集める、確保する、増やすことに多くの意識が向きがちですが、それ以上に大切なのは「使い方」。

限られたお金をどう使うか、というのが経営の神髄ではないでしょうか。

御校でもより有効な使い方を模索していただければと思います。