すでにマスコミを中心に大々的に報道されていますが、一応採り上げておきましょう。
文科省HPからの情報提供がこちら。
平成27年度全国学力・学習状況調査の結果について:文部科学省
調査結果はこちらに掲載されています。
平成27年度 全国学力・学習状況調査 報告書・調査結果資料:国立教育政策研究所 National Institute for Educational Policy Research
朝日新聞の記事がこちら。
理科、下位の正答率改善 「勉強わかる」中3で低下 小中学力調査:朝日新聞デジタル
3年ぶりに調査した理科は、毎年実施している国語、算数・数学と同様に下位層の正答率が改善した。一方、中3の理科は「勉強がわかる」と答える割合が他教科と比べて低く、課題も浮かんだ。
日本経済新聞ではこんな感じ。
学力テスト、縮む地域差 理科は実験結果の分析苦手 :日本経済新聞
3年ぶりに実施した理科では観察や実験の結果を分析し説明する問題の正答率が低く、弱点が鮮明になった。
各紙とも、記事の内容は「理科」と「都道府県ごとの成績差」が中心になっているようです。
成績を開示するとどうしても「比較」したくなってしまう人間の性質を踏まえると、やはり小さい単位での成績開示には慎重であってほしいと願うのですが…
調査結果の詳細は上記リンク先からご覧いただくこととしまして、今回(2015年4月21日)、調査を実施した学校の割合は、国公立は100%あるいはそれに近い割合なのに対して、私立は中高とも50%前後となっています。
そして、アンケート形式の調査結果として、以下のような内容が出ています。
学校における指導に関する項目
○ 学校における指導と学力の関係について,今年度新たに設けた項目においては,以下の状況
・「児童生徒が学級やグループで課題を設定し,その解決に向けて話し合い,まとめ,表現するなどの学習活動」→小学校・中学校ともに,「よく行った」と回答している学校の方が,平均正答率が高い状況
・「授業で扱うノートに,学習の目標(めあて・ねらい)とまとめを書く指導」→小学校においては,「よく行った」と回答している学校の方が,平均正答率が高い状況
○ また,「学級やグループでの話し合いなどの活動で,自分の考えを深めたり,広げたりすることができているか」について,肯定的回答の方が平均正答率が高い状況であった児童生徒の変化
○ 児童生徒の質問紙への回答状況として,規範意識に関わる項目( 「学校のきまり(規則)を守っていますか」,「いじめは,どんな理由があってもいけないことだと思いますか」,「人の役に立つ人間になりたいと思いますか」 など)について,初めて調査を行った平成19年度と比較すると,「当てはまる」と回答する児童生徒が増加。特に,中学校において顕著な傾向
○ 生活習慣に関して,平成20年度と比較すると,テレビやDVDを2時間以上見ると回答している割合が減少する一方で,ゲームを2時間以上する割合が増加
○ また,インターネットとの関わりについて,1日1時間以上インターネットをすると回答した割合が,平成26年度と比較して小学校ではやや増加
「主体的な学習が一定の成果を上げている」「規範意識が上がっている」というような傾向が見て取れるということでしょうか。
教育環境をどのように整えていくのが適切なのか、というテーマに対していくつか参考になる情報が含まれているように思います。
今回の学力調査結果において、仮に学力格差が縮んだとすれば、それは成績上位県である秋田や福井に学ぶケースが多くあったことも一つの要因でしょう。
この全国学力調査にはいくつかの功罪が語られるわけですが、このような取組は確実にプラスであると思います。
他校の実例に学ぶ。不可能だと思わず、やってみる。
こういう動きが広がればと期待しています。