先日、ある私学の「夏の研修会」にお邪魔いたしました。
夏休みの機会に教職員研修会、あるいは役員研修会を行う私学は決して少なくないと思いますが、私が参加した学校でも以前からその両方を実施されており、2006年度以降、私はその私学の役員研修会に参加を続けさせていただいています。
このブログで議題や議事の詳細に触れることはできませんが、学校管理職が参加するその研修会では毎年、重要な経営課題が採り上げられ、その課題に対して客観的情報や主観的考えを出し合いながら意見を共有し、今後の方向性を協議されています。
研修会、という位置づけですので、課題解決策を確定させることを目的とせず、学校としての考察を深めるところにその意義を置いておられ、普段の意思決定会議とはやや異なる会議の雰囲気が醸し出されています。
「会議」と「研修会」。
折しも「主体的な学び」といったことが教育のテーマとしてクローズアップされている昨今。
会議も研修会も、出席者が主体的に参画することが重要です。
しかしながら、議題の主たる担当者や発表者ばかりが口を開き、他の参加者は聞く一方…そんな会議や研修会も数多く存在します。いやむしろそんな形式のほうが一般的である、と言ってしまってもいいかもしれません。
会議は「中身」が問題。
何が議論されるのか、何が決まるのか。そこに意識が集まるのは当然のことでしょう。
しかし、会議を成功させるのは中身どうこうではなく、「場づくり」です。
『出席』者を『参加』者に、そして『参画』者にするためには、そうなるための場づくりが必須です。
同じメンバーが参加し、同じ議題を議論しても、場づくりによってその会議の満足度や深まり方は大きく異なるということを、私はこれまでも多く経験してきました。
全員参画の場づくりをしたい、と考えたなら、そこには相応の工夫が必要になります。
先日参加したその私学の会議では、多くの工夫が見られました。
課題の説明を経営要素と教育内容の両面から実施することで、どのような立場の方でも自らの課題としてそれを考えられる、という工夫。
実践例のスライドとビデオ上映を行うことで、イメージを喚起しつつ長時間の研修を飽きさせない、という工夫。
グループによるディスカッションとその発表を行わせることで、ひとりひとりの意見をしっかりと引き出させ、緊張感をもって研修に臨ませる、という工夫…
議題そのものよりも、場づくりの工夫によって、今年の夏の研修会は大成功であった、と私は結論付けました。
御校でも会議は開催され、また研修会も実施されていることと思います。
果たしてその場にいる方々は、単に座っているだけなのか、それとも参加・参画をされているのか。
発言が多ければそれが参画である、というわけではなく、あくまで主体性を持てているかどうか、がそのバロメーターであろう、と思います。
主体的に参画できる場づくりが、学校という組織をより強くしてくれます。
ぜひとも御校でもそのお取組を。