今日はこのブログとしては珍しく、特定の学校のネタを採り上げます。
Yahoo!ニュースが産経新聞の記事を紹介してくれています。
育て!ジェンヌの卵の卵 宝塚音楽学校生を100人超輩出する学校の秘密とは (産経新聞) - Yahoo!ニュース
そして、その宝塚音楽学校に多くの生徒を送り込んでいる梅花中学校・高等学校がこの記事で採り上げられています。
なぜそれが可能なのか、という理由について、記事では以下の点を挙げています。
・専門コース(=舞台芸術コース)の充実
・立地(歌劇を身近に感じながら育つ環境であることに加え、比較的裕福な家庭が多く、バレエ教室に通う子供が他の地域に比べて目立って多いこと)
・「宝塚音楽学校に入学した卒業生が多い」という口コミが広がっていること
ちなみに、2014年に設置された舞台芸術コースの講師陣は、6人中5人が元タカラジェンヌ。
今後も宝塚音楽学校への入学者を安定的に輩出されそうな気配がします。
学校における特色化は、「進路」という着眼点を抜きにしては語れません。
がそれは、多くの場合「高偏差値校への進学」という、やや偏ったものであることも否めません。
ただ、本来進路というのは成績の良否のみで決するものではなく、さらには「進学」のみに限定されるものでもないはずです。
そして、個々の生徒が未来を拓く手助けをするのが学校という場であろう、とも思います。
もし進路に関する正しい情報が伝われば、高学歴一辺倒になりがちな学校選択(学校から見ればそれは「生徒募集」を指すわけですが)が少し変化するのでは…と期待している自分がいます。
生徒募集、それはマーケティング。
本日開催のセミナーではこのことについてご参加の皆様とご一緒に考えたいと思っています。
私自身、私学経営に携わる期間が長くなるにつれて、学校における「マーケティング」がむしろ苦手分野になりつつありました。
業界基準では生徒募集の鍵は募集対策、つまり「学習塾回り」「学校回り」といった目の前の行動レベル、あるいは「受験日」「受験回数」「受験教科設定」といった受験のテクニカルな対応が多くを占め、自分の出番はあまりないのでは、と考えるに至ってしまったのです。
しかしながら、私自身が一般企業向けに講師を務めさせていただく研修のネタで2番目に多いのがマーケティング。いわゆる販促の仕掛けに関するものです。
そこではマーケティングの本質を考え、それをシナリオにし、行動に移すという順序で研修を行っています。
これはきっと学校だって同じことのはず。
技術的、戦術的な話に気を取られてしまうのは私学の常識や経験にとらわれすぎているからだ、ということにある時気がつきました。
ここらで基本に立ち返って、マーケティングの原点から私学の募集活動について考え直してみよう。
そう思って、今回のセミナーのレジュメを作成いたしました。
先ほど紹介した梅花中・高は、学校の強みを市場のニーズとマッチさせて、ますますの躍進が期待されます。
御校のマーケティング、うまくいっていますでしょうか。
生徒と学校の両想いが続くよう、願ってやみません。