朝方勤務で夕方以降の時間を活用しましょう。
そんな取組が霞が関で始まったというニュースです。
毎日新聞より。
ゆう活:朝型勤務、霞が関でスタート…8月末まで - 毎日新聞
今月からスタートしたこの「ゆう活」は、8月末まで出勤時間を1〜2時間早め、その分退庁時刻も早めようという取組です。
長時間勤務を打破するために、まずは形から変える、ということのようですが、果たしてうまくいくでしょうか。
私もわずかな期間ではありますが、中央官庁で働いていたことがあります。
その頃は朝6時過ぎに自宅を出て、その自宅に戻るのは2時~3時ごろが平均的でした。
午後2時、ではありません。朝2時、です。
公務員は楽でいいよね、という話は当時からありましたが、勤務時間だけを見ればとてもそんなことはない、長時間勤務の牙城のような場所でした。
その原因はいろいろありますが、確かに形を変えることによって解消される原因もゼロではないでしょう。その意味では今回の取組は興味深いものがあります。
ただ一方で、仕事のやり方やしくみ、個々の意識や関係者の意識のほうが原因としてはよほど大きいわけで、単に時間割を変えただけでは本当の変革には至りにくいのではないか、とも思います。
事実、この記事にも、この働き方を実践している女性職員がこうコメント。
「朝の方が仕事が進みやすい。今日は夕方に美容院も予約した。
本当に早く帰れるか不安だが、できるだけ頑張りたい」
さらに次官級幹部のコメント。
「(国会が9月27日まで延長されたうえ、来年度予算編成作業も本格化するため)
午後4時15分以降の会議禁止は実現不可能だ」
特に後者のコメントは致命的で、幹部や上司の意識が変わらなければ仕事の仕方を変えることは困難ですから、制度の目的を達することは至難の業と言えるでしょう。
この制度が始まって今日でちょうど1週間。
「当初の意気込み」に「現実」が加味されて、そろそろ本当の実態が現れてくる頃ではないでしょうか。
今日あたりの官僚たちの生の声を聴いてみたい気がします。
私の実感として、霞が関の働き方は仕事の質を高める働き方からはほど遠いものがあります。
優秀な人材が山ほどいる組織なのですから、きちんとしくみを整えて、質の高い仕事ができる環境を整えていただきたいと思うのですが。
そして、このことは学校にもそのままあてはまるはず。
質の高い教育のために、短時間で良質の仕事をするという意識を、特に管理職、経営幹部が持ち実践することが重要だと思うのですがいかがでしょうか。