ビッグデータ、という言葉が日常語になりつつあります。
今日はそのビッグデータを教育業界で活用しようとする動きについてお伝えします。
Economics Newsより。
この記事の事例は岡山県の中学校。
生徒の解答用紙を蓄積してデータ解析し、生徒の学習進捗の予測や学習進度に応じた問題の作成などに活用しようとしている、と書かれています。
以下、少しだけ記事を引用させていただきます。
現在、大規模に収集された個人の履歴データ(縦断的データ)の活用に関する研究が進められているが、縦断的データはまとめればまとめるほど、本来存在する行動特徴を埋没させてしまうという問題点が指摘されている。こうした中で今回、岡山大学大学院教育学研究科教授の寺澤孝文氏は、「スケジューリング」というアプローチによって、この問題をクリアした。
例えば、英単語学習を例にとると、学習者が、いつ、どの単語を、どのように何回学習し、それから何日後にテストを受けるのかという、何万という詳細なイベントの生起スケジュールを年単位で生成する。それに合わせて学習を提供し、全ての反応を回収し、スケジュール条件ごとに集約、解析し、時系列条件がそろった個人の行動変化を描き出せるようにした。
専門的なことは分かりませんが、私なりの解釈では、過去のデータの蓄積によって、その人に適した(≒効果の高い?)学習行動を知ることができる、ということだろうと考えています。
例えば一生懸命勉強しているつもりなのに結果が出ない、とか、やらなくちゃいけないことは頭では分かっていてもなかなか勉強に手が伸びない、といったことで悩んでいる子供たちの大いなる助けになるような気がしますね。
実はこのビッグデータの活用、教育の世界では特に脚光を浴びています。
この記事の中でも、
・ベネッセホールディングスとソフトバンクが学習支援クラウドサービスの合弁会社「Classi(クラッシー)」を設立(2014年4月)し、生徒の学習状況や成績、活動履歴などが蓄積され面談などで活用できる「生徒カルテ」などを提供する有料サービスを開始
・総務省が2014年度より「先導的教育システム実証事業」を開始、3つの地域で教育ICTシステムの実証研究を実施中
など、大きな動きも現実に出てきています。
以前のこのブログでも、学校におけるタブレット端末の普及が今後急速に進むという予測をお伝えしました。
数年前から電子黒板が一気に学校に広がったこともお伝え済みです。
否、このブログを読まずとも、科学技術の進歩は教育技術やそのツールを大きく変えていくことを、学校関係者の方々は身をもって感じていることでしょう。
今回のニュースにあるビッグデータの活用もまた、ICT環境の発展とともに学校にとって必須のものになるのかもしれません。
ただ一方で、ビッグデータの活用は時間的にも、また技術的にも、現時点で一私学が単独で立ち向かうには大きすぎるテーマかもしれません。
今回の記事では岡山大学が大きな役割を果たしているように、学校同士の連携や協力体制の重要性もまた感じさせられます。