コンピューターを使用した情報活用能力を測定する初めての調査が実施されました。
その結果がこちらです。文部科学省HPより。
この調査は、国公私立の小5と中2、それぞれ約100校・約3,000人を対象に実施されました。
上記ページを開けてすぐ、調査結果のまとめがされています。
以下、抜粋しておきます。
調査結果の主なポイント
<児童生徒の情報活用能力に関する傾向>
小学生について,整理された情報を読み取ることはできるが,複数のウェブページから目的に応じて,特定の情報を見つけ出し,関連付けることに課題がある。 また,情報を整理し,解釈することや受け手の状況に応じて情報発信することに課題がある。
中学生について,整理された情報を読み取ることはできるが,複数のウェブページから目的に応じて,特定の情報を見つけ出し,関連付けることに課題がある。 また,一覧表示された情報を整理・解釈することはできるが,複数ウェブページの情報を整理・解釈することや,受け手の状況に応じて情報発信することに課題がある。
<情報活用能力調査結果の上位の学校群の傾向>(上位・下位の学校群とは,調査問題結果の平均得点の上位・下位10%の学校群を指す。)
上位の学校群の教員は,下位の学校群と比べ,次のような授業の実施頻度が高い傾向にある。
・児童生徒に自分の考えを表現させること
・児童生徒に情報を整理させること
・児童生徒に情報手段の特性に応じた伝達及び円滑なコミュニケーションを行わせること
上位の学校群の児童生徒は,下位の学校群と比べ,学校で次のようなICT活用をしている頻度が高い傾向にある。
・情報を収集すること
・表やグラフを作成すること
・発表するためのスライドや資料を作成すること
小中学生ともに、
・複数のウェブページから目的に応じて,特定の情報を見つけ出し,関連付けること
・複数ウェブページの情報を整理・解釈すること
・受け手の状況に応じて情報発信すること
に課題がある、との結果が出ていますが、これらの事柄、個人的には結構難しいことのようにも思えるのですが…小中学生に限らず、大人でも、あるいは指導する側にも難易度が高い要素が並んでいるのかもしれませんね。
もう少し細かい内容を確認したい場合には、こちらが参考になると思います。
そしてこの概要には、児童生徒ではなく、学校や教師を質問対象とした調査の結果も記されています。
以下、その部分の総括コメントを抜粋します。
○ 「個人情報保護手段策定」「積極的な校務の情報化」などの学校の情報化に関わる取り組みは,小・中学校ともに高い傾向にある。
○ 情報活用能力の育成等に関わる取り組みのうち,校内研修や模擬授業などの実践的研修は,あまり行われていない傾向にある。
○ 小・中学校ともに,「情報の誤認性や危険性」「情報社会のルール」「健康面への注意」「情報発信者の責任」などの情報モラルに関する項目について指導できると回答している教員の割合が高い傾向にある。
○ 「情報活用能力を育成する授業の実施状況」に関して,「週1回以上」実施している教員は,小・中学校ともに1割に満たない。
学校におけるICT関連のしくみは整ってきており、最低限の知識と指導内容の実現はできているようですが、情報を「活用」するという段階までにはまだ若干の距離があるように感じる、そんな結果だと受け止めました。
今後は実践、活用というステージでの発展が期待されるこの分野。
まずは教職員自身が自ら情報活用能力を高めていくことが重要なのかもしれませんね。