寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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学費以外の子供の教育費、1人あたり月平均9757円、中高生は16079円

新入学シーズンを迎え、一般家庭にも学校にも金銭的な事象が気になる時期になってきましたね。

本日は教育費に関する記事をお届けします。

Yahoo!ニュースより。

 

学費以外の子供の教育費、1人あたり月平均9757円、中高生は16079円 (@DIME) - Yahoo!ニュース

 

今回紹介されている調査はソニー生命保険株式会社さんが実施したもの。

そちらの元データも引いておきましょう。

子どもの教育資金と学資保険に関する調査2015 | ソニー生命保険

 

Yahoo!ニュースさんの記事は冒頭部分の編集がおかしなことになっているのか、文章がつながらないところもあるのですが、元データを読めば概ね埋め合わせができそうです。

以下、調査結果の中で、お金に関する項目の概要を私なりにまとめてみました。

子ども一人あたりの学校以外での教育費の平均支出額

 合計:9,757円/月

 内訳:「スポーツや芸術などの習い事」3,335円/月、「家庭学習費用(通信教育、書籍など)」2,424円/月、「教室学習費用(学習塾、英会話、そろばん教室など)」3,998円/月

 就学段階別にみると中高生の親が最も平均支出額が高い(16,079円/月)

 →内訳中、「教室学習費用」への平均支出額が他段階に比べ突出(9,506円/月)

○親が「子どもの携帯・スマホ料金を支払っている」割合:52.3%、月額平均7,558円

○未就学児の親が「教育資金」に不安を感じる割合:80.2%

 「学校生活」(69.4%)、「就職活動」(67.7%)、「インターネットやSNSの利用」(77.4%)等を上回り、2014年調査と同様に全項目中、最も高い割合を示した

○子どもの独立までにどのくらいの教育資金がかかるか「把握していない」割合:47.8%

○未就学児の親に、子どもが小学生から社会人になるまでに必要な教育資金はいくらくらいだと思うか聞いた結果の平均額:1,156万円/「1,000万円~1,400万円くらい」が最多(36.7%)

 ←2014年調査の平均予想金額(1,229万円)よりやや減少傾向

○子どもが興味・関心のあることへの金銭的支援について

「子どもが留学を希望したら、金銭支援するつもり」:60.6%

「子どもがスポーツ・芸術・芸能分野でのプロを目指す場合、金銭支援するつもり」:60.7%

○大学等に通う子どもの親の現況と意識

「教育資金の負担で、日々の生活が苦しい」:65.3%

「教育資金の負担で、自分の老後の備えはできていない」:75.8%

「卒業するまでの教育資金について不安がある」:62.9%

「卒業するまでの教育資金は何としてでも準備してあげたい」:86.3%←2014年調査結果(93.4%)から減少

○住宅関連の資金(購入・リフォームなど)、老後の生活資金、子どもの教育資金の3つについての優先順位:教育資金がトップ(62.3%)

○高校生以下(予備校生・浪人生含む)の子どもの親が子どもの将来の備えに対して支出している額(一人あたり・月あたり):平均支出額13,733円

「0円」:26.2%/「10,000円~14,999円」:26.5%/「15,000~19,999円」:10.8%/「20,000~29,999円」:11.2%など

○教育等に関する贈与税の非課税枠拡大について

「自分自身の子育てに役立つ」と思う割合:54.5%

「若い世代への金融資産の移転が促され、経済が活性化する」と思う割合:49.4%

「富裕層がターゲットであり、あまり自分には関係ない」と思う割合:81.7%

以上、やや引用が長くなってしまって読みにくくなってしまったかもしれません。申し訳ありません。 

結果の解釈はいろいろできると思いますが、教育資金は確保したいとする家庭が依然多く存在する一方で、その支出は決して楽ではないとの捉え方も相当程度に上っているように感じます。

 

私学が納付金その他の学費を考える際には、どうしても「自校の財政状態」「自校の過去の推移(いつ値上げしたか、いくら値上げしたかなど)」「他校のトレンド」に気を取られがちです。

ですが、学校にとっての収入は家庭にとっての支出であり、家庭にとっての支出は御校に対する学費だけではない、ということをある程度意識しておく必要があります。

 

一方で、私が過去に調べたところによれば、私学を選択されるご家庭においては、学費の高低がその意思決定に及ぼす影響はそれほどまでには大きくないと考えられます。

自校の付加価値をしっかり精査し、その付加価値の向上に見合った学費のアップはむしろ市場から歓迎されることすらあるでしょう。

逆に、特段の付加価値向上がないにもかかわらずなされる値上げには厳しい視線が注がれるものと思われます。

各種統計を参考にしつつ、自校の教育内容・サービス内容を十分に把握し、経営の基本である値付けを実行していただきたいと思います。