寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)の平成26年3月卒業者の就職状況等について

本日は学校の将来を担う人材、教員志望者の進路に関する調査結果をご紹介しましょう。

文科省HPより。

 

国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)の平成26年3月卒業者の就職状況等について:文部科学省


いくつか掲載されている資料の中には大学間の合格率競争をあおりかねないものもあるように感じますが、それはさておき、調査結果のうち、国立の教員養成大学・学部(教員養成課程)における各種数値の推移を以下に記しましょう。

 

【平成12年卒業】…掲載年度中、卒業者数が最多の年です。

卒業者数15,041人→教員就職者数5,070人(教員就職率33.7%)→正規採用者数1,803人

【平成23年卒業】…掲載年度中、教員就職率が最高の年です。

卒業者数10,479人→教員就職者数6,494人(教員就職率62.0%)→正規採用者数3,820人

【平成26年卒業】…直近年度の結果です。

卒業者数10,709人→教員就職者数6,465 人(教員就職率60.4%)→正規採用者数3,813 人

 

上記の各数値は平成12年以降のものしか資料に掲載がないのですが、グラフ資料にはそれ以前の推移も掲載があり、こちらもあわせて見てみますと、平成11年を底にして教員採用は大幅に減少し、その後平成23年度までは反転して伸びてきたのが、その後はほぼ横ばいで推移しているようです。

教員就職率も同様の動きをしており、近年は若干の減少傾向が見て取れます。

ちなみに、正規採用と臨時的任用のバランスは、ここ10年ほどで前者が増加してきており、正規雇用に比重が移ってきている様子。

私学は採用時、期限付雇用であることがまだ圧倒的に多いですので、この点には留意が必要ではないでしょうか。

 

どの学校にお伺いしても、教員採用には苦しんでいるというお話をよく耳にします。

現時点においては大学卒業者数は増加中ですから、母数は増えているはず。

その中でも採用活動が厳しいというのは、単に数が集まらないということよりも、期待値に達する人材がなかなか見つからない、というところに悩みの種があるものと思われます。

 

学校に限らず、市場から優秀な人材を調達することに限界があるとすれば、やはり自らの組織で人を育てる意識を持つ必要があるのではないか、と感じます。

人材育成計画の立案、ぜひともお勧めしたいと思います。