来年度の活動の枠組みを決めるこの時期。
国家予算もその内容が明らかになりつつあります。
現段階では最終決定ではありませんが、本日は教育関連の予算を概観しておきましょう。
文科省HPより。
まずは項目の一覧を。
1 社会を生き抜く力の養成
(1)教員の「質」と「数」の一体的強化
(2)全国的な学力調査の実施
(3)道徳教育の充実
(4)特別支援教育の充実
(5)いじめ対策等の推進
(6)子供の体験活動の推進
(7)キャリア教育・職業教育の充実
(8)情報通信技術を活用した学びの推進
(9)土曜日の教育活動の推進
(10)少子化に対応した活力ある学校教育の推進
(11)新しい時代にふさわしい教育制度の柔軟化の推進
(12)学校と地域の協働の基盤となるプラットフォームづくり
(13)女性の活躍推進等のための環境整備2 未来への飛躍を実現する人材の養成
(1)初等中等教育段階におけるグローバルに活躍する人材の育成
(2)グローバル人材育成のための大学の国際化と学生の双方向交流の推進
(3)国際機関等との連携及び活用を通じたグローバル人材の育成等
(4)国立大学改革の推進
(5)国立高等専門学校における教育研究の推進
(6)私立大学改革の推進など私学の振興
(7)大学教育再生の戦略的推進
(8)高度医療人材の養成と大学病院の機能強化
(9)専修学校等の人材養成機能の向上に向けた支援3 学びのセーフティネットの構築
(1)幼児教育の段階的無償化に向けた取組の推進
(2)高等学校等就学支援金等
(3)高校生等奨学給付金
(4)学校をプラットフォームとした総合的な子供の貧困対策の推進
(5)大学等奨学金事業の充実と健全性確保
(6)国立大学・私立大学等の授業料減免等の充実
(7)学校施設等の耐震化、老朽化対策等(太字は特に私学に関連する施策として、筆者が付けたものです)
なお、公立校の動きとして知っておくべき内容は太字以外の項目にも含まれています。
例えば「1-(1)教員の「質」と「数」の一体的強化」の中味を見てみると、
・課題解決型授業(アクティブ・ラーニング)の推進
・小学校における専科指導の充実
・学校マネジメント体制の強化(主幹教諭、事務職員の拡充)
・専門人材の配置充実(学校司書、ICT専門職員等)
・養護教諭・栄養教諭等の配置充実
といった内容が含まれていますので、私学においても同様の施策について検討が必要になることもあるでしょう。
また、「1-(8)情報通信技術を活用した学びの推進」では、「児童生徒の確かな学力の育成を図るため、ICT活用指導力の向上やICTを活用した授業実践を行う体制構築の支援を行う」と記載があり、やはり私学でもICTのしくみについて一定の取組が求められるように感じます。
そして、「1-(11)新しい時代にふさわしい教育制度の柔軟化の推進」には小中一貫校の推進が含まれています。
このように、「これまでの当たり前」がそうではなくなっていくことが予算からは読み取れますので、ご多忙の時期とは思いますが、ぜひともご一読いただければと思います。
ちなみに、税制関連の情報も以下のリンク先にまとめて掲載されていますのでご参考までに。
主だったものは
(1)学校法人への個人寄附に係る税額控除の要件の見直し【所得税】
(2)教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の拡充【贈与税】
の2項目とお考えいただいてよいでしょう。
前者は学校が寄付を受けやすくなる制度改正ですし、後者は祖父母世代に教育資金を負担してもらいやすくなる制度改正となります。
いずれも学校財政にとっては一定のプラス要因と考えられますので、こちらも意識しておいていただければと思います。
以上、本日は来年度予算の情報をお届けいたしました。