本日は賃金関連の統計をご紹介しましょう。
まずは、表題とはまるで逆のように感じる、日本経済新聞のこのニュースから。
上場企業の平均年間給与604万円、前年比0.96%増 :日本経済新聞
東京商工リサーチによる調査結果です。
2013年度の上場企業2316社の平均年間給与は6,044千円。前年度比0.96%増。
全体の約6割(1451社)で給与が前年度比増。横ばいは10社、減った企業は855社。
給与が減った企業のうち、半数は従業員数を増やしているとのことで、「積極的に人材採用したことで平均年間給与が下がったとみられる」(東商リサーチ)。
金融・保険業の平均年間給与が前年度比3.1%増であった一方、電気・ガス業では同6.3%減と、「業種により明暗が分かれた格好」と日経新聞さんは伝えています。
毎度のことながら、調査の対象に注意です。
これはあくまでも上場企業のデータ。
企業規模不問の場合、昨年のデータではありますが、平均給与は4,136千円。
正規雇用者のみでも4,730千円と、上場企業のデータとは100万円以上の差がついています。
(出典:平成25年分民間給与実態統計調査結果について|報道発表資料(プレスリリース)目次|国税庁)
そしてこんなニュースも。朝日新聞より。
労働者の実質賃金、1年4カ月連続減 10月の勤労統計:朝日新聞デジタル
ここでようやく本日の表題にさせて頂いたニュースが登場。
今年10月の毎月勤労統計調査(速報)によると、パートを含む労働者1人が受けとった現金給与総額は平均267,935円と、前年同月比0.5%伸びて8カ月連続で改善したものの、賃金から物価の伸びを差し引いた「実質賃金指数」は2.8%減で、昨年7月以降1年4カ月続けて減少した、と報じています。
やはり消費税率の上昇によって、サラリーマン家庭の可処分所得は目減りしているのが現実のようです。
ちなみに先日、ある新聞記事で、
「冬の賞与 平均89万3538円、5%超増 経団連」
という表題を見かけました。
その記事はすでにネットでの公開がされていないようですが、こちらも「経団連」の文字が示す通り、大企業・上場企業のデータでしょう。
一方で、大阪シティ信用金庫が毎年調査されている賞与金額。
そのレポートがこちら↓
これも昨年のものですが、今年のデータも近日中にアップされるでしょう。
その平均額は272,442円。
先ほどの数字とは60万円もの開きがあります。
私学が対象としているご家庭は、以前は家計にも余裕のあるケースが多かったかもしれませんが、今は必ずしもそう言えないことも多いような気がします。
世間の給与は自らの組織の給与制度を考える上ではもちろんのこと、顧客たる家庭の状況を知るためにもぜひチェックしておきたいところですね。