寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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平成26年度学校法人監事研修会

本日は久しぶりに会計の話題を。

文科省HPより。

 

平成26年度学校法人監事研修会次第:文部科学省

 

10月末にこのような研修会が行われ、その概要と資料が明らかになっています。

研修会の題名からすると、学校法人の監事さんを主たる対象として開催されたものと考えられますが、中心は大学ながら、会計や監査に関する情報のみならず、学長の権限強化等の最近の動き、さらには今後の施策についてもまとめられた資料があり、経営環境を概観するのに適した資料群になっているように感じました。

そして、主題であろうと思われる「監事に期待される役割について」は、以下のような記載がありました。資料より引用しています。

1.監事による監査報告書について
私立学校法の改正により作成・公開が義務づけられた監査報告書については、特段様式等は示していないが、行った監査の内容とその結果についての記述は最低限含めた上で、各学校法人の規模や実情等に応じた適切な内容とすることが望まれる。
2.評議員会への出席について
私立学校法の改正により、理事会に出席して意見を述べることが監事の職務として規定されたが、学校法人の重要事項について諮問を受ける機関である評議員会についても出席することが望まれる。
3.理事会・評議員会での積極的な意見表明について
私立学校法の改正により、理事会に出席して意見を述べることが監事の職務として規定されたが、理事会・評議員会において、経営面に限らず教学面も含めた学校法人の運営全般について積極的な意見表明を行うことが期待されている。
4.会計監査との連携について
監事が行う財務の状況に関する監査をより充実させる観点から、私立学校振興助成法に基づき公認会計士が行う会計監査との連携を図ることが重要。例えば、監事は必要に応じ公認会計士が行う会計監査に立ち会うようにする等の取り組みを、各学校法人において推進することが期待される。
5.監査体制の充実について
各学校法人においては、法人の規模や実情等に応じ、監査の常勤化を進めることや、理事長等から監事に対して定期的に学校法人の業務の状況等について報告すること、監事の監査を支援するための事務体制や内部監査組織の整備を行うこと等監査の充実を図るための取り組みが期待される。

 監事は常勤でないことも少なくありませんが、これらの項目を見ると、その役割の大きさはもちろん、作業量としても決して小さくないことが推し量られます。

これも他の資料に掲載があったところですが、監事がその責務をすべて担うのではなく、本来的には法人内で牽制が働くような仕組みづくり、いわゆる内部統制システムの整備の必要性を感じます。