少子化の中で、学校は近時大きな転換期を迎えているのは間違いありません。
本日はそのひとつの現象である「廃校」に関する調査結果を採り上げます。
文科省HPより。
この調査結果は社会的に深刻な状況を示しているように感じます。
概要を以下に記します。
○公立学校の廃校発生数…平成15年度以降、毎年400校を超えて推移
・平成24年度:598校、平成25年度:482校
・平成14~25年度の都道府県別廃校発生数は北海道が圧倒的多数(12年間で597校)、続いて東京、岩手
・近畿では兵庫160、和歌山119、大阪114、奈良・京都93、滋賀は全国最少の19
○廃校の活用状況
・平成14~25年度に発生した廃校5,801校のうち施設が現存しているのは5,100校
・うち活用されているものは70.3%
・活用されておらず、用途も決まっていないもの1,081校(21.2%)
・主な活用用途:学校、体育施設、教育・文化施設、福祉・医療施設・庁舎等
・活用の用途が決まっていない主な理由
地域等からの要望がない:47.4%、立地条件が悪い:17.8%、財源が確保できない:16.3% 等
これだけの廃校事例が出ているということは、それだけ子供の数が減っているということ、なのかもしれません。
が私はもう一つ大きな理由があるように思います。
それは子どもを含めた人口の「偏在」です。
例えばここ大阪だけで見ても、地域ごとに人口の増減の状況はかなり異なります。
これをほぼそのまま公立校の定員に当てはめると、人口減が著しい地域は廃校のリスクが高い一方、人口が多く存在する地域はむしろ教育施設や福祉施設(保育所等)が足りないという現象が出ています。
私学の場合には公立ほど地域に縛られた募集状況ではないにしろ、やはりご当地の人口動態は大きな要素であることは間違いありません。
それに加えて、私学は人気が二極化しつつあるようにも感じます。
つまり、子どもの数が減り、人気にも衰えがみられる場合には、私立校であっても存続そのものが危ぶまれるわけで、この危険度は人口増の時代とは比較にならない高さだと私は感じています。
母校をなくしてはいけない。
その想いで活動している私は、ますますその責務の大きさを痛感しつつ、お役立ちを改めて心に誓っております。
ただ逆に、子どもが多くしかも人気の学校においては施設や土地の不足に悩むケースも決して少なくありません。
廃校後の用途が決まっていない公立校が多く存在していることは今回の調査で明らかになっています。
このような施設や土地の活用を含め、中長期の投資計画の立案を強くお勧めしたいと思います。