以前もこのブログで採り上げたことのある「公設民営学校」。
どうやら近々誕生しそう、とのニュースが流れました。
「公設民営校」誕生のきざし 大阪市、第一号目指す 経済力問わず、才能伸ばす狙い:朝日新聞デジタル
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公設民営学校については、そもそも何なの?という疑問がある方も多いと思います。
今朝の朝日新聞の記事には「公設民営学校の枠組み」と題した、要点をまとめた分かりやすい表が掲載されていましたので、その内容をまずは引いてみます。
すべての項目について、現段階の法案と、大阪市の構想を比較しています。
◆委託先の法人
法案:学校法人、社団・財団法人、NPO
大阪市:非営利法人だが、企業なども間接的に運営にかかわる方法を検討
◆対象校種
法案:高校、中高一貫校
◆教育内容
法案:産業の国際競争力強化に寄与する
大阪市:国際社会で活躍する人材の育成
◆教育課程
法案・大阪市ともに:学習指導要領に沿い、検定教科書を使う
◆教員
法案・大阪市ともに:教員免許を保有、身分は民間人
◆国の負担
法案・大阪市ともに:他の公立学校と同様の人件費負担
◆教育委員会の関与
法案:報告を求め指示、指定取り消しなど
大阪市:法の規定に従って検討
上記の中で、これまでの学校と枠組みが異なる点として大きいのは
・運営主体が地方自治体や学校法人以外にも広がる
・対象校種に中高一貫校を含む
という2点であると個人的には感じています。
なお、2点目の「中高一貫校」については、これまでも認められていた公設民営方式の校種が高校と幼稚園に限られていたことを踏まえています。
ちなみに既存の公設民営高校としては岡山の吉備高原学園高等学校があります。
この高校は学校法人立で運営されていますが、法人の理事長は岡山県知事。事務職員は県職員です。
また、施設は岡山県が整備し、これを学校法人に無償貸与しています。
公設民営学校の大きな枠組みはおそらくこのようなものになるのでしょう。
大きな設備投資を要する学校経営。
民間(ここには私学も含まれると私は考えています)の知恵や経験を活用しつつ、経営リスクである投資等の負担を軽減しようとする公設民営学校。
方法論としては十分あり得る話だと感じます。
一方で、学校施設の不備による事故の責任の所在をはじめ、万一のケースを想定すれば不安がいくつかあるのもまた事実です。
法案がどのような形で決着するのか、しっかりと見守っていこうと思います。