このブログでは実名入りのニュースは極力避けてはいるのですが、実名抜きではうまく伝わらないのでやむを得ずそのままお届けします。
個人的にはかなり衝撃的なニュースでした。
上智学院・栄光など5学校法人が合併へ 16年4月に :日本経済新聞
上智大:栄光学園と合併へ イエズス会系5法人、神父数減少で 16年4月 - 毎日新聞
記事によれば、東京の上智学院・神奈川の栄光学園・兵庫の六甲学院・広島学院・福岡の泰星学園の計5学校法人が2016年4月に合併予定であるとのこと。
いずれもカトリック教会イエズス会系であり、経営陣にはイエズス会の神父が就くとされているところ、近年はこれが厳しい状況であったようです。
学校側の発表では「大学教育と中・高校教育をより緊密に連携するのが狙い」とされているようですが…
学校にもいよいよ業界再編の波が迫っている昨今ですが、財政難を理由とするものではなく、人材難が主な理由のひとつに数えられる合併が本件です。
いわゆるクリスチャンコード等によって、経営陣の人材難が深刻な学校の存在ももちろん耳にはしていました。
ただ、これを合併によって解消するというところまでは思いが至らず、この報道にはかなり驚きました。
地域的にはかなり離れた5法人ですし、記事にも「独立採算を維持し、各校の教育方針なども踏襲」と書かれていますので、まさに人材難を主たる理由とした合併と言っていいと思われます。
最近、各校を訪れていろいろお話を聴いていると特に感じるのがこの「人材難」を嘆く声です。
先日の「採用と育成」をテーマにした弊社主催セミナーに予想以上にたくさんの方がいらっしゃったことからしても、この課題はかなり大きくなっているのかもしれません。
市場から優秀な人材を調達するのはもちろん重要なことですが、募集に対して必ずしも多くの応募が得られるとは限らない近時、それだけでは決して十分ではないでしょう。
むしろ、組織内部で育てる意識と技術、仕組みが必須になってきているような気がします。
そして生徒募集に関しても同様のことが言えます。
「すでに優秀な人材」を得る努力と同時に、「優秀な人材を育成できる」組織へ。
学校は人を育てる専門機関として、子どもに対しても大人に対しても、育てていける風土を目指したいものですね。