寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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小中高教員調査から見えた電子黒板の利用実態、効果と課題

現在普及が進んでいる電子黒板。

その電子黒板に関する調査結果が出ていましたのでご紹介します。

リセマムより。

 

小中高教員調査から見えた電子黒板の利用実態、効果と課題(1/3) | リセマム

 

公立校では、2017年度までに電子黒板を1教室1台配備することを目標に、予算が重点配分されています。

2013年度時点では全国で82,375台と、1校あたり2,3台程度の割合のようですが、実際、ここ5年間で普及率がぐっと上がってきていますので、あと数年でかなりの水準になるものと予想されます。

数年前、ある私学で電子黒板の導入を巡って現場から大きな反発があった様子を目の当たりにした私としては、先んじて新たな施策を進めることの難しさと重要性を感じずにはいられません。

 

今回の調査は、設備面の導入が進む昨今、活用度はいかに?という点に着眼したものとなっています。

結果は次の通り。なかなか興味深い結果です。

○電子黒板利用者の使用頻度

・2~3か月に1日程度…15.0%、それ以下…23.9%

 →学期に1度程度しか使っていない教員は合計38.9%

・ほとんど毎日…15.9%、週に2~3日程度…8.8%、週に1日程度…9.7%

 →週に1日以上使う教員は合計34.4%

○十分に活用されていない理由は「電子黒板の導入数が少ないこと」「可動式を共用しているため、移動・設置に手間がかかること」

○電子黒板をよく使用する教科

・小学校…算数が最多(44.1%)

・中学校…理科が最多(34.1%)

・高等学校…国語が最多(38.5%)

○電子黒板利用者の満足度

・「画面の見やすさ」「タッチパネルの書きやすさ」=満足度が高い

・「授業準備のしやすさ(電子黒板本体やソフトウェアの起動など)」「教材の種類」「サポート体制」=不満を感じている教員の割合が高い

「授業の効率化」に満足しているのは47.8%

・「学習効果」に満足しているのは56.6%

 →電子黒板を使用することで得られる効果は、約半数の教員が実感

(具体的には「児童の反応がよい」「視覚に訴えることができ、指示が通りやすい」「自由に拡大・縮小、書き込みができる」「デジタルデータとして保存ができ、次の授業のときに振り返りも容易」など)

○今後、電子黒板に求めること

・授業準備のしやすさ…67.3%

・操作性…59.3%

・画面の見やすさ…58.4%

・移動・設置のしやすさ…58.4%

・学習の効果…56.6%

・教材の種類…51.3%

・授業の効率化…49.6% など

 この調査はサンプル数がやや少ないため、実態をどの程度正確に反映しているかは分かりませんが、それでも活用度の一端が見えてきます。

 

近年は私学以上に公立校の新規施策が目立つようになってきています。

より良い教育環境を目指し、新たな技術や知識を習得し、日々の活動に反映させていこうとする意欲と努力を忘れないようにせねばなりませんね。

特に私学においては進取の精神でいろいろな指導法にチャレンジしていただきたいと願っております。