寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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都市型校舎、知恵絞る 児童「急増のち激減」に対応

久しぶりに施設関連の記事をお届けします。

朝日新聞より。

 

都市型校舎、知恵絞る 児童「急増のち激減」に対応 8階建て/転用狙い外しやすい壁:朝日新聞デジタル

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少子化、人口減といわれる昨今ですが、同時に人口の偏在も進んでいるのが実情。

都市圏の一部では学校の新設が必要な地域も出てきていると記事には書かれています。

一方で、そのような地域であっても、ごく近い将来には子供の数が急減し、せっかく作った学校も必要性が乏しくなってしまう…そんなあり得ないようなことが起こる世の中になっているようです。

 

そこで、学校を新設、増設する際には「将来は不要となる」ことを前提とするケースがこの記事では紹介されています。

その主な方法は「教室間の壁を取り除きやすい構造にする」という方法。

学校施設はその他の建物に比べてもそれほど複雑な構造にはならないことが多いので、転用に関してはある程度想定はしやすいのかもしれません。

ただ別の事例の中で「開校から10年が経過した後は更地に戻す予定」という学校もありました(以前このブログでも紹介させて頂いたと記憶しています)。

安全面や機能面を考えればあまりに簡易構造で建築するわけにもいきませんし、どのような方法で建てられたのか興味津々なのですが、記事ではそこまで詳しい情報は掲載されていません。

 

そしてもう一つ、この記事では「校地が十分でない学校」の事例も紹介されています。

実はこの事例が記事のトップに掲載されていて、表題にもその文言が入っているのですが、

・体育館は6階、プールは8階で開閉式の屋根つき

・専用グラウンドは用意できず、外での体育や休み時間は向かいの公園で

・開校から2年後に増設された校舎も用地が確保できず、向かいの中学校の敷地内に建設

・児童や保護者の見学席を確保するため、音楽会は3日間に分けて開催

と、非常にご苦労されている様子が伺えます。

 

私の住む大阪でもいわゆる都心に立地する、あるいは都心を目指して校舎を設けた学校には同様の状況が見て取れます。

どのような教育環境が望ましいか、ということについてはいろいろと考え方があるとは思いますが、私学においてはやはり「理念(建学の精神)」と「教育目標(教育内容)」を実現できる校舎、教育施設であることが必須でしょう。

投資を積極的に考えるのが難しい昨今ですが、ぜひ一度お考えいただきたいテーマだと感じます。