本日はこのブログでは珍しく、海外ニュースを採り上げます。
Bloombergより。
記事で取り上げられているアメリカの大学では、景気後退が終わってから5年が過ぎているにもかかわらず、学生の債務急増・オンライン講座との競争・卒業後の就職難などにより志願者が減少。いくつかの施設が閉鎖され、スクールバスが放置されている様子を伝えています。
アメリカでは多くの小規模私立大学で収入のほぼ全てを授業料に頼っていることもあり、志願者減は日本以上に経営上の大きなダメージになっているようです。
ムーディーズによると、多くの学校で入学者数は10%を超える減少となっているそうで、学生が減れば教職員が削減され講座も閉鎖されるため、他校に編入するか、または価値が低下した可能性のある大学で学位を取得するかの選択を迫られる学生もいるとのこと。かなり深刻な状況です。
私学では「経営よりも教育内容」といった風潮が当然のように存在します。
仮にすべての教育が無償で提供されるのであればそれでもよいのですが、教育を実践する教職員さんには生活(家計)があり、施設は常に安全安心のための専門的整備が必要であり、日常的に使用する教材にもお金がかかることを考えれば、家庭から対価を受け、これをサービス提供に携わる方々へ分配するという、まさに経営の根幹が成立しなければ教育内容の実践もあったものではありません。
つまり、いかに素晴らしい教育内容を実践していても、その学び舎に集う学生や生徒が集まらなければ、学校は成り立たないのです。
以前セミナー等でもお伝えしたことがありますが、学校法人の場合、経営の苦境は「一気に」訪れることは少なく、「少しずつ」現実になっていきます。
そのステップは
生徒数が減る→収支差額が減少する→人件費率が上がる→積み立てている金融資産が減る→負債(借金)が増える→短期的支払いのための現預金が減る
といった一連の流れをとることが多いものです。
ですから、現在自校に起こっている現象をしっかり把握して、しかるべき対処をすることが学校の永続にとって不可欠なのです。
ちなみに、私自身は「生徒数が減った」ということ自体が課題になるとは思っていません。
仮に生徒数が減っても、将来に向け規模の縮小を想定し、それに応じた経営の枠組みを作れば何ら問題はありません。
が、学校の場合、施設への投資額と固定費が大きいことから、経営構造を変えるには一定の時間が必要になります。
ですから、一刻も早く「長期計画」「中期計画」が必要になるのです。
ぜひとも計画経営に向けた本気の取り組みをお願いしたいと思います。
(文責:吉田俊也)
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税理士・中小企業診断士 吉田 俊也
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