寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

これからの学校図書館担当職員に求められる役割・職務及びその資質能力の向上方策等について

本日は学校図書館に関する情報を採り上げます。

文部科学省HPより。


これからの学校図書館担当職員に求められる役割・職務及びその資質能力の向上方策等について(報告)

報告書全体を読むには少し時間がかかりそうなのですが、しっかりサマリーも掲載されていますので、概要はこちらでつかんでいただけるものと思います。


学校という場に独特の施設設備として存在するのがこの図書館。

以前ブログでも採り上げましたが、この図書館をいかに活用するか、あるいは図書館の担当職員さんがどのような意識でどのような活動をされるかによって、「単に存在するだけの図書館」から「学校全体の魅力を表現する図書館」まで、その在り方については大きな差が生まれるのではないかと思っています。


今回の報告書の「はじめに」では、その学校図書館が抱えているであろう課題を示唆する言葉がいくつか書かれています。

私が気になったところを3つ、引用してみます。


近年,各地方公共団体は厳しい財政状況の中でも学校図書館担当職員の配置を進めてきており,その必要性が一層強く認識されていることがうかがえる。

公立校においては学校図書館担当職員の配置が重点化されています。

例えば以下のニュースなどはその一例です。

島根県、学校図書館への司書配置率100%を達成

学校図書館の充実金沢市の事例)

公立校が重点化しているということは私学はその在り方をより強く考えねばならない状況である、と言えるかもしれませんね。


一方,学校図書館の利活用が学校教育で果たす役割の大きさに対する理解が十分でなく,一部の児童生徒が読書のために利用するのみであったり,社会状況の変化や学問の進展により利用価値が低下した図書がそのまま置かれていたり,授業での活用が乏しかったりする状況も残念ながら散見されるのが実情である。

私学の場合、図書館の在り方はその学校の考え方そのもので決まります。

図書館がどれだけ利用しやすい場であるのか、そしてどのような子供たちに利用してもらうことを学校は望んでいるのか…そのような意識の一つ一つが、図書館運営に反映されるのだろうと思います。

蔵書が並べられているだけの図書館もあれば、研究課題を追究するための図書館であったり、学習意欲が減退した子供たちの安息の場としての図書館であったりする事例も、私は実際に各私学さんへの訪問で見せていただきました。

図書館に限らず、どの施設設備にどのような意義を持たせるのか、各私学は改めて整理していただくとよいのかもしれません。


本報告により,学校図書館担当職員のみならず学校図書館に携わる関係者間での共通理解を図り,もって学校図書館に係る日々の活動の一助となれば幸いである。

これも現場でよく耳にすることですが、図書館の担当職員さんと教員各位との間に見えない壁のようなものが存在したり、あるいはお互いの活動に対して理解しようとする意識が希薄だったり、といったことが起きがちなのも学校の特徴かもしれません。

授業をはじめ各活動において、教員と図書館司書あるいは担当職員との連携が子供たちの学びに大きなプラスをもたらす可能性があると私は感じます。

この報告書でその目的が達せられるかどうかは別にして、お互いの役割を理解しようとする気持ちが強く芽生えることを願っています。


学校の特色化はいろいろな観点から取組を進められます。

図書館も当然その一つ。

ぜひ各校がお持ちの「財産」(強み)を、今一度棚卸してみませんか。


(文責:吉田俊也)


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