寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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先生の残業減る?「校務支援システム」

卒業シーズン真っ只中ですね。

年度末のこの時期、普段以上に激務の方々も多いと思います。

そんな中で、残業削減の一助?と思えるニュースが。

YOMIURI ONLINEより。


先生の残業減る?「校務支援システム」…神戸市教委


公立校のお話で恐縮です。

が、私学でもおそらくヒントになることが含まれているように思いますので、記事の概要をご紹介します。


神戸市教育委員会がこの4月から導入するこの「校務支援システム」。

中身は児童・生徒の住所や指導内容をまとめた学籍記録や成績表などを電子化するという、このご時世においてはそれほど複雑ではないもの。

これらのものが手書きされていることによって残業が肥大化しているようであれば、真っ先に取り組むべきことであるとすら感じます。

記事によれば、このシステムの他にも、担当教員が銀行に足を運んでいた教材費や給食費などの会計処理をパソコンで行う新システムも導入するとか。

これらのこともあってか、市立学校園に配備しているパソコンを約2000台拡充する、とも書かれています。


私は決してこのような分野に詳しいわけでもなければ大きな興味を持つ方でもありませんので、一般の方よりもアナログ人間であるという自覚はあるつもりなのですが、それでも学校のIT化は遅れている、と感じざるを得ません。

手書き書類の良さは認めつつも、多くの事務処理をしなければならない中で、手書きにだけこだわる理由は大きくないでしょう。

公立校の場合には域内全体のことを考慮したシステム構築が必要なためその投資額は大きくなりがちですが、私学単体で考えた場合には、それほど大きなシステムを導入せずともIT化を進めることはそれほど難しくないようにも思います。


記事にもある通り、近年の学校現場では教職員の残業時間が異常に大きくなっています。そして我々が私学で実際に取ったアンケート等では、残業時間の中で多くを占めるのが「部活動」「教材研究」「事務作業」でした。


勤務時間が延びるとどうしても集中力が落ち、さらには体調を崩すことも。

すると仕事の質はおのずと落ちてしまいます。

その質の低下をさらなる長時間労働で補うことは「質を量でカバーする」ようなものですから、決して望ましいことではないと思います。

そこで勤務時間の短縮が課題になるわけですが、採点や成績表の作成などの事務そのものをなくすわけにはいきませんので、より効率的に実施するにはどうしたらいいか、を考える必要があります。

仮にその解決の道具がシステムの導入であるなら、その解を選ぶことも一つの選択でしょう。もちろん、他にも解があるかもしれません。

先生方の健康と質の高い業務遂行のため、各校とも残業削減に取り組んでいただきたいと願っております。


(文責:吉田)