時期を反映して入試の記事が多く出回っています。
本日は日経から、大学入試関連の記事をお届けします。
(有料会員限定記事となっております。ご容赦ください)
来年度から新学習指導要領に基づく入試に移行することを受けて、今回の受験で進学先を決めたがっている受験生が多く存在している、とこの記事は伝えています。
その結果、今年の18歳人口は過去最低の約118万人(前年比約4%減)であるにもかかわらず、関西の私立大学では、一般入試の志願者数が増えているとのこと。
記事で採り上げられているのは
・近畿大…今年度の一般入試の志願者が前年比約7千人増。志願者は初めて10万人を突破
・立命館大…志願者が前年比5%増
・摂南大…2月までの入試の志願者数が前年同期に比べ6割増
・神戸学院大…同3割増
インターネット出願等の影響も大きいようですが、これまでに比べてより多くのチャンスを得たいという受験生心理が働いているようにも見えます。
一方で前年を下回っている関西大と関西学院大はそれぞれ
「今年は志願者が増えた翌年で、受かりにくいと受験生が敬遠した反動」
「受かりやすい大学を受験生が選択したのでは」
と分析されているようです。
ただ、来年度も各大学は旧要領下で受験できる経過措置を取ることから、この記事に登場する予備校は過度に弱気になる必要はない、とコメント。
一方で受験生は「(新要領で学ぶ)今の2年生と私たちは教科書の厚さが全然違う」、とのコメント。記事にも「下の世代と同じ土俵に上がれない」という危機感が強いと書かれています。
実は以前、東洋経済ONLINEでもよく似た内容でこんな記事が出ていました。
こちらの記事は日経と同じテーマを採り上げていながら、ニュアンスはだいぶ異なっているように感じます。
いずれにせよ、教育課程を変えることが子供たちに大きな影響を与えることがこれらの記事からよく分かります。
今回の記事を読んで、私が強く感じたのは、こんなときこそ私学の強みを発揮するチャンス、ということです。
もちろん、国が定める学習指導要領がカリキュラムの基準になること自体は避けられません。
が、私学は自らの建学の精神や理念に基づき、在校生にぜひ学ばせたいことをしっかりと課程に反映させていくことができる、またそのような活動をせねばならない存在ではないか、と思うのです。
受験に対応できることも重要な要素ではありますが、それ以上に、子供たちの健やかな成長を、各私学なりに追及して求めた一つの解がその学校独自のカリキュラムではないでしょうか。
小中高の各段階で何を学び、どんな姿で卒業するのか。
各私学の特色の最たるものはきっとその目標から導かれるのでしょう。
これからの私学の特色化、楽しみです。
(文責:吉田)