寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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私鉄発 住みやすい街へ 沿線人口減に先手

本日は私学の立地とマーケットに関連するであろう記事をご紹介いたします。

日経より。


私鉄発 住みやすい街へ 沿線人口減に先手

(有料会員限定記事となっております。ご容赦ください)


近年、鉄道駅周辺の再開発が相次いでいる印象があります。

その理由が今回の記事には書かれていました。

少子化と高齢化が同時進行する現代から近未来にかけて、沿線住民の転出を防ぐため、鉄道利用者の生活基盤になっている中核駅の近くに、マンションと店舗が一体になった大型複合ビルを建設するなどして利便性を確保する動きが広まっているようです。

人口減によって、都市機能を中心部に集中させる「コンパクトシティー」づくりが都市圏にも広がってきているようです。


この記事で紹介されているのは次のような事例です。

横須賀中央駅近くに約300の住戸や飲食・物販施設が入る38階建ての超高層ビルを建設

笹塚駅に隣接する老朽ビルを、21階建ての商業施設・オフィス・賃貸マンションの複合ビルに建替え

・たまプラーザ駅と駅前の商業施設やマンションを橋渡しする形で新施設を建設、医療機関や介護サービス施設、保育園などを誘致

樟葉駅前の大型商業施設を改装、売り場面積を約1.4倍に拡大

小田急電鉄は学習指導などもする学童保育施設を展開、子育てしやすい環境をつくってファミリー層を沿線に呼び込むのが狙い


都市部は人口減のタイミングが地方に比べて遅れてやってくるわけですが、それでも私鉄各社は今後の人口減を見越していろいろと手を打っているようです。

そして先ほどの事例の中で、「子育て環境」の充実を狙ったものもいくつか見られます。

保育園や学童など、低年齢の子供たちを対象としたものが目立ちますが、その延長上にはやはり学校というものの存在があります。


現在、募集に苦しむ私学さんも少なからず存在しています。

その打開策の根本は

・顧客の定義(誰にこの学校に来てもらいたいかを明らかにする)

・サービスの魅力化(ターゲットに合った教育内容の充実、施設整備等の企画実践)

・組織づくり(学校に属する全員が共通目的に向かって一丸となって前進する)

にあるとは思いますが、市場が縮小している中では回復にも限度があるかもしれません。


そのような中でこのニュースをどう捉えるか。

鉄道会社さんは沿線住民をどうつなぎとめるかを考えている。

そのためにコンパクトシティというコミュニティを確立するという手段を採用している。

では学校は…そのコミュニティの中核として存在できれば、ひょっとすると生徒数確保のひとつの選択肢になる…かもしれません。


もちろん、そのために学校の移転が必要になることもあるでしょう。

学校の移転が地域に与えるインパクトは甚大ですから、そのことは十分に考えねばなりません。

が、学校は社会全体の財産であり、決してなくなってはいけない存在だと私は思います。

生徒募集の結果が明らかになるこの時期、長期を見通した経営計画を、ぜひとも立案していただきたいと願っております。


(文責:吉田)