入試シーズン真っ只中にお届けするネタではないかもしれませんが、逆にこの時期だからこそ読み飛ばしてしまいそうなネタですのであえて採り上げさせていただきます。
「学校施設の長寿命化改修の手引~学校のリニューアルで子供と地域を元気に!~」の公表について
資料の冒頭にある「はじめに」は、こういった書き出しで始まっています。
学校施設は未来を担う子供たちが集い,生き生きと学び,生活をする場です。また,地域住民にとっては生涯にわたる学習,文化,スポーツなどの活動の場であり,非常災害時には避難生活のよりどころとしての重要な役割を果たします。
今,この学校施設に老朽化の波がおしよせています。厳しい財政状況の下,効率的・効果的に対策を進めるため,従来のように建築後40年程度で建て替えるのではなく,コストを抑えながら建て替えと同等の教育環境を確保することができ,排出する廃棄物量も少ない新しい方法「長寿命化改修」への転換が求められています。
学校施設の老朽化は公立学校だけの問題ではなく、以前からこのブログでも書かせていただいている通り、私学における経営課題の大きな一つに数えられるものです。
この資料は公立学校向けのものではありますが、そのような状況下にある私学においては参考になるところがたくさん含まれていると思います。
私もまだ資料に十分目を通せていませんが、個人的に感じたこの手引の良さは、
・Q&A方式なので、知りたい情報にたどり着きやすい。
・写真が多く、イメージを持ちやすい。
・具体的な工法等にも言及している一方で、語句の理解がそれほど難解ではなく、分かりやすい。
といったところです。
ちなみに、この手引の「第2章 長寿命化改修 各論」はこういった項目の掲載があります。
1.躯体の老朽化対策
2.外壁・屋上の老朽化対策
3.設備の老朽化対策
4.安全・安心な施設環境の確保や地域コミュニティの拠点形成のための改修
5.環境に配慮した改修
6.多様な学習内容・学習形態による活動が可能となる環境への改修
7.活用できる補助制度
ちなみに、7の補助制度は基本的に公立向けのものになっているので、私学が使えるものはあまりないように感じました。
そして、「2.外壁・屋上の老朽化対策」はこのような内容です。
Q12 外壁の劣化とその対策方法について教えてください。
Q13 屋根材や外壁材で,耐久性の高い材料にはどのようなものがありますか?
Q14 屋上の防水改修はどのように行えばよいですか?
Q15 劣化に強い防水材にはどのようなものがありますか?
このように、かなり具体的な記載になっていますので、近く改修等をお考えの学校さん、あるいは長期投資計画の立案をされる学校さんは参考にしていただければと思います。
ちなみに、情報の内容は違うのですが、ジャンルが同一であるという理由でこのような情報も掲載させていただきます。
幼稚園と高校では少し耐震化率が低い状況のようです。
安全第一の学校現場、施設管理にも十分気を配りたいですね。
(文責:吉田)