昨日、同僚がある1枚のチラシを見せてくれました。
その同僚は弊社で病院経営の支援を担当している、私の上司。
そして、そのチラシのタイトルは「看護職キャリア開発セミナー」。
私はこのように学校法人さんを担当させていただいているので、最初は、
「このチラシと私、果たして何の関係があるんだろう…?」
と不思議に思ったのですが、チラシの末尾を見てその理由がわかりました。
そこにはこのセミナーの運営会社の名前が掲載されていたのですが、
それがまさに学校法人さんだったのです。
考えてみれば、学校は『教えること』に関してはプロフェッショナルですから、
オープンセミナーをはじめとして、このような活動をされること自体、
それほど不思議はないはずなのですが、これまで私自身、いわゆる
「公開講座」以外にこのようなセミナー案内を拝見したことがなく、
何か斬新に感じました。
特定の職種向けの、しかもマネジメントを内容に持つセミナーの開催。
ここにはいろいろな意図が含まれているのだろうと、いろいろ考えを巡らせました。
そしてその中でも、特に2つの点について強く感じるところがありました。
まず1つめに、小中高大と続く、学校法人にとって本業にあたる「学校運営」は、
あくまでも社会に出るまでの教育機関たる活動であって、
その後について学校はどう考えるのか、ということ。
いい大学に入ることがゴールではなく、社会人として活躍する人材、ということを
学校法人としてのテーマに据えると、このような活動が必要、ということなのでしょう。
もちろん方法論はいろいろあると思いますが、子供たちに
社会で活躍する人材になってもらいたい、という想いとその環境づくりは
学校にとって必要不可欠なことだと個人的には感じています。
そしてもう1つは、いわゆる「第2の財布」の必要性。
今後、少子化が進み、学校のマーケットは縮小することが明らかです。
そして、このことは当然のことながら私学の財政面に大きな影響を及ぼします。
なぜなら、学校法人の収入の要素はほとんどが「生徒の『数』」を掛け合わせて
算出されますから、その数が減ることは比例的に収入が減ることを意味するのです。
そこで、「第2の財布」。
生徒数に影響されない収入、しかも学校法人にとっての純粋な収入、ということを
考えるならば、その中心は「事業収入」になると考えます。
これまでの枠組みで顧客をとらえるのではなく、その概念をもっと広げていくこと。
これは今後の私学経営を組み立てる際に、どの私学においても考察すべき
大きなテーマではないでしょうか。
自らの学校法人の活動領域(ドメイン)をどう定義するか。
既存のフレームにとらわれない、自由な発想が必要であると感じます。
(文責:吉田)