寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

教員養成部会(第68回)

今日は文科省HP掲載の情報からお届けします。


教員養成部会(第68回) 配付資料


第68回、ということなのでかなり頻度の高いこの部会。

内容はひとことで言えば教員の資質向上、ということになるのでしょう。

今回は資料もかなり多くて、すべてにまだ目を通せてはいないのですが、ひとつ気になった資料がありました。

資料7 教員の資質能力向上に係る当面の改善方策の実施に向けた協力者会議について

の先にある、この資料です。

資料1 教員の資質能力の向上に係る当面の改善方策の実施に向けた協力者会議ワーキンググループ報告書(案)


教職大学院を中心とした大学院段階の教員養成の充実と改善のために」という名の副題?らしきものが添えてあるので、この報告書の本来の目的は教職大学院の中身をどうするか、ということなのだろうと思いますが、私がこの資料に目を留めたのはそこではなく、以下の内容です(一部筆者による編集を含みます)。


<2>学校教育を取り巻く現状と教員養成における課題

 (1)学校教育を取り巻く現状

 a)新しい学びへの対応

○子どもたちの基礎的・基本的な知識・技能の習得に加えて、思考力・判断力・表現力等を育成するために、知識・技能を活用する学習活動、課題探究型の学習、協働的な学びなど、新しい学びをデザインできる実践的指導力を有する教員を養成する必要がある。

○知識基盤社会が進展し、専門分化した膨大な知識の全体を俯瞰しながら、イノベーションにより新たな価値を創造できる高度な人材が求められている中で、我が国の将来を担う人材養成の重要な使命を持つ教員についても、修士号以上の学位取得者を含む高度専門職業人にふさわしい高度な人材が求められている。

 b)学校現場での今日的課題への対応

○いじめ・不登校等生徒指導上への諸課題への対応、特別支援教育の充実、外国人児童への対応、新たな学びに対応するICTの活用の要請を始め、学校現場の複雑かつ多様な課題に対応することが求められている。このような諸課題に対して、学校が、保護者や地域住民の力を生かして地域ぐるみで課題解決に取り組んだり、組織として機動的に対応したりするため、校長のリーダーシップのもと教職員全体がチームとして課題に対応できる力量の形成が必要である。

 c)教員の大量退職・大量採用を踏まえた対応

○全国的に、教員の大量退職や新人教員の大量採用が進行している。また、児童生徒数の減少などにより学校が小規模化しており、初任段階の教員を指導できる体制を学校内に確立することが困難になってきている。このため、学校現場の課題に初任段階の教員が十分対応できずに困難を抱えていることが指摘されており、教員としての採用後の研修と大学における養成段階での学びの接続が不可欠になっている。

 d)スクールリーダー養成の必要性

○困難な課題に学校が組織として適切に対応していくためには、学校の管理職を始め、学校内の若手教員の指導を含めて学校現場でリーダーとしての役割を果たせる教員の養成が喫緊の課題となっている。スクールリーダーには、学校現場が直面する諸課題について、構造的・総合的な理解を共有し、自らの担当する教科・学年・学校種以外との関連を広く見据えながら、学校内や地域においてリーダーシップを発揮できることが求められる。

(2)これまでの教員養成・研修

 b)これまでの教員養成・研修の主な課題

○長年行われてきた学校内や地域での授業研究などの取組は、日本の学校教育の貴重な伝統であり、教員の資質能力の向上に貢献してきた。しかし、教員の大量退職・大量採用による経験豊富な教員の減少と若手教員の増加や、学校の小規模化、多忙化等により、教員間の学びの共同体としての学校の機能(同僚性)が昨今では十分に発揮されていないという指摘があり、教員間での知識や経験の伝承が困難な傾向が見られる。


ひとことで言うなら、教員が担当すべき業務の難度は上がっている一方で、そのための能力養成のしくみはむしろ失われていっている、ということになります。

公立校を念頭に置いた内容ではありますが、私学においても同様の課題があるように感じますがいかがでしょうか。

まずは簡単にできること、例えば同僚同士のコミュニケーションの充実から始めてもよいのかもしれませんね。


(文責:吉田)


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