寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

「残業ゼロ社会」の実現に挑む

少し古いネタになってしまって恐縮ですが、強く共感した記事をぜひ紹介させて下さい。

朝日新聞別刷、“be on Saturday”11月2日版の b1面 と b3面 に記載された記事です。


「残業ゼロ社会」の実現に挑む

(全文を読むには会員登録が必要です。ご容赦下さい)


この記事の主人公・小室淑恵さんは、表題にある「残業ゼロ」に精力的に取り組む女性。

以前から著書などを通じてお名前はよく存じていたのですが、

これまでの取組内容については失礼ながらそれほど知りませんでした。


今回の記事を読んで一番驚き、かつ納得したのは次の箇所です。

小室さんが出産後、起業した直後の状況です。


当初は、ベンチャーだから残業してでもがんばろうと全員が思っていました。

でも、私だけは育児で時間に制約がある。どんどん肩身が狭くなり、やる気まで

落ちました。一方、社員は私が短時間で帰ることに不満を抱く。こういうことが

各企業で起きていると実感しました。起業して半年後、今度は私の右腕ともいうべき

女性が妊娠しました。誰かの結婚や出産の度に社員が意欲を落とすような組織では、

業績に明日はない。そこで全員の残業を禁止したんです。


ところが、全員の残業を禁止したところ、

「やる気にあふれた社員ほど残業したいと言う」

という現実に直面。

が、小室さんはここで止まらなかったのが素晴らしい。もう少しだけ引用します。


でも、なぜ8時間で仕事が終わらないのか。突き詰めて考えると、仕事の知識や

スキルの不足を時間で埋めていた。それで帰れない。

逆に、午後6時に社員が駆け出して退社していくようになって、

会社はすごく成長した。

夜、家族と過ごしたり、社外の人と会ったりして、

イデアの引き出しに色んなことをインプットするからです。


私はこの考え方、そして出現した効果に強く共感を覚えました。

残業時間を自分時間に変えれば、それだけで自分も組織も大きく成長するのです。



「ヤル気があるから、責任感があるから、組織に貢献したいから残業してるんです。

なぜそれをやめなくてはいけないのですか」

私が業務改善のアドバイスをさせていただく時にも必ず出てくる意見ですが、

ではなぜあなたは21時には職場を出るのですか、

22時でも23時でもいいのではないですか、と質問するとそれは体力的に無理だと

返ってくる。だからこそ21時ではなく、18時に終えるべきなのです、

そうすればもっといい仕事ができるはずなんです、

と私は繰り返します。


記事には残念ながら具体的な業務改善方法はほとんど登場しません

(小室さんの企業秘密でしょうからやむを得ませんが)。

が、「残業は必要悪だ」と思っているその意識を

「残業せずに何とかできないだろうか」というふうに変えるだけで、

きっと残業は大きく減らせると思うのです。

あなたの学校でも残業廃止に取り組んでみませんか。健全な組織運営を目指して。



(文責:吉田)