時節柄でしょうか、入試に関する話が目につくようになってきました。
本日は大学入試制度に関する記事を採り上げます。
(会員限定記事になっています。ご容赦下さい)
このネタ、少し前にもこのブログで採り上げた内容ですので、すでにご存じの方も多いと思います。
が、上記朝日新聞のニュース配信より早く、日経ではこんなニュースが出ていました。こちらも少し気になったので合わせて採り上げます。
(こちらも会員限定記事になっています…重ねてご容赦下さい)
ちなみに、このブログを書いている時点では、首相官邸HPに設けられた教育再生実行会議のページにはこの提言そのものの掲載がまだないので、以下の内容は上記新聞記事から得られた情報のみによってしまうことにご留意下さい。
まず入試制度そのものの変更に関する内容ですが、記事から主なものを拾ってみますと、
・高校在学中に、高1の必修内容を高2段階で実施することを念頭に置いた基本的な学力を測るテスト(「基礎」レベル)を希望制で実施
・センター試験を「発展」レベルのテストに改編し、複数回実施も検討
・両方を合わせて「達成度テスト(仮称)」として一体運営
・「発展」テストに参加するかどうかは各大学の判断に委ねるが、個別に学力試験を実施する場合も知識偏重にならないよう改善を図ることを求める
・テストは複数回化の可能性を探るため、マークシート方式を維持しつつ、6教科29科目に広がる現在の出題体制の縮小を検討
・選抜制度充実のための人手やコストに関しては国が財政支援
・文部科学省は5~6年後の実施を想定
・今後、中央教育審議会で具体的な制度設計を議論する予定
といったところでしょうか。
そして日経のニュースのほうはと言いますと、同じく教育再生実行会議の提言として
・上記「達成度テスト」について、CBT(コンピューター・ベースド・テスティング)方式の試験に見直す
・CBTはパソコン画面に表示された問題をマウスやキーボードを使って回答する方式で、数千~数万題の試験データから問題を出題
・無作為抽出した問題を組み合わせて難易度を一定に保つことが可能で、テストの複数回実施にもテストの水準を安定させられる利点がある
・問題用紙の配布や答案用紙の回収にかかる費用の削減が期待できる
・動画や音声を使った新たな試験問題の開発も可能になる
・実際導入するには相当量の試験問題データの蓄積や端末の整備などが必要であるため、あくまでも将来的な検討課題
といった内容が書かれています。
このようなテストの方式が存在していることを私は知りませんでしたが、すでにいくつかの試験でこの方法が使われているとのこと。少し驚いてしまいました。
以前のブログからの繰り返しになってしまいますが、入試制度はその学校がどんな生徒・学生に来てもらいたいか、を示す重要な入口になります。
国の制度はともかくとして、各私学はどんな生徒を集めたいのか、そのためにどんな入試を課すことが望ましいのかを真剣に考え、まずは入試の内容を固める必要があると思います。
そして内容決定後には、実際にその入試を実現するための方法を考察することが必要でしょう。
経営資源が無限に存在するのであれば別ですが、そうではない現実、方法論をしっかり煮詰めておくこともまた学校経営の資源配分として重要なことだと考えます。
これから各校の入試、募集が活発化してきます。
このあたりのことも注視しながら、動向を見守っていきたいと思います。
(文責:吉田)