寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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留学促進へ「企業連携型」の奨学金 文科省、14年度から

昨日の日経ニュースから。


留学促進へ「企業連携型」の奨学金 文科省、14年度から


留学する大学生・大学院生を2020年までに倍増させる計画を進めている安倍政権ですが、その施策のひとつとしてこのようなものが出てきました。

記事によれば、民間企業100~200社ほどから計200億円規模の出資を募った上で、出資企業が、帰国した学生を対象に長期インターンシップや企業説明会を開催し、採用につなげられるようにする、というもののようです。

単純な奨学金制度ではなく、就職も見据えた制度というのが特徴的ですね。ちなみに中小企業の参加も大歓迎のようです。

開始予定は2014年度、つまり来年度となっていますから、あと半年で開始なんですね。

留学者の増加と就職ミスマッチの解消、さらには奨学金制度の充実と、いろんな利点を持った制度のようですが、それらの利点が良い効果をもたらすことと同時に、企業の囲い込みなどの動きにならないようにとも願っています。


このニュースを読んで私は、企業の資金を上手く活用する、という観点をぜひ私学も持っておきたい、と感じました。

収入の確保が大きな経営課題となっている昨今、各企業に私学の活動を支援してもらうことも経営の選択肢として考えておくべきではないでしょうか。

寄付を募ることもあり得ますし、特定の教育活動を支援してもらったり、校外活動の場を提供してもらったり、本件のように奨学金制度を模索したり…?

法令等のハードルもあるでしょうから、何ができて何ができないのか、今の私には知識がありませんが、それでもブレインストーミングのようにアイディアを出していくことでいいものが浮かんでくるかもしれません。

そしてそのことが私学の活動の幅を広げてくれるとすれば、検討の余地は十分あるでしょう。


もうひとつ、私が以前からキーワードのように思っているのは「留学生」。

今回のニュースは海外への留学が主眼なのですが、私学にとって、海外からの留学生を受け入れていく、その前提として受け入れ環境を作っていくということは検討に値すると思っています。

それは、国内の年少人口が減少する中において、一定の生徒を確保し経営を安定化させることはもちろん、教育効果の観点からも、集団生活・組織行動の習得のために一定規模を維持することは重要であると感じるからです。

なるべく若い時点で異文化と交流することは人生においてとても貴重な役割を果たすのではないか、と私は思っています。


以上、いろいろと気付きの多いニュースでした。


(文責:吉田)