寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

教員の「残業」月95時間超 10年で14時間増える

まずは先週金曜日に実施した、弊社セミナーにご参加いただきました皆様、本当にありがとうございました。

講師の黒木もその場でお伝えしていた通り、参加された方全員があれほどまでに熱心にお聞きいただけるセミナーも数少ないのではないでしょうか。後ろで控えていた私も何度も感動を覚えるくらい、本当に良い時間と良い場を堪能できたような気がします。

セミナー終了後も長時間にわたってアンケートを熱心にご回答いただき、回収後に拝見したところどの用紙にもみっちりとご感想が書かれていて、本当に有り難いことこの上ありませんでした。


テーマは「管理職の役割」。

事務職の方々はさておき、学校の教学部門においては「学校経営」「マネジメント」という概念はまだまだ認識が薄いのが実情ではないでしょうか。

同僚が書いたこのメルマガで書かれている内容、私も強く共感しています。経営は業界問わず非常に重要な概念ではないか、と。

管理職はまさにマネジメントを行う人(機関)=マネージャーとして、その中核を担う人材であり、そのためにどんな意識を持ち、どんな行動をしたらよいのか、ということについてセミナーでは黒木が熱く語っておりました。

このテーマは時を改めて再度実施したいと思いますので、ぜひとも皆様のご来場をお待ちしております。


さて前置きが長くなりました。

今日は、先週出たこのニュースをご紹介します。


教員の「残業」月95時間超 10年で14時間増える


記事によれば、教員の時間外勤務は1カ月平均で約73時間。自宅に持ち帰った仕事の時間も含めると95時間32分にもなったとのこと。

実際、私どもが関わっている私学の皆さんのお話をお聞きしても、確かにそのくらいの超過勤務が発生しているのが現実であると感じます。

それにしても95時間というのは…あまりに多すぎます。30日で割っても1日あたり3時間以上。週休2日を前提にすれば勤務日は月22日程度ですから、22で割ると1日4時間以上。

教員という仕事は体力も要る仕事ですから、これは完全に健康を害するレベルに達していると言っていいでしょう。


記事には「改善のための人員増などが急務だ」と書かれていますが、このことへの対処法は人員増以外にもいくつかあるはずです。

まずは業務効率化。これが何よりも一番に重要なことでしょう。

「完璧な教育」というものが存在するかどうかは別にして、各教員がすべての教育活動において完璧を目指すなら、時間はどれだけあっても足りない、というのが学校現場でしょう。

その心意気は素晴らしいとしても、現実にこれを追求して、万一健康を害してしまって途中リタイア、ということになればその被害を一番被るのは教え子さんたちでしょう。

事業は継続して初めて目的達成できるものです。特に学校は1年、3年、6年といった、ある程度の期間の長さについて特に継続性を要求される業界ですから、しっかりと子どもたちに向き合い続けられる体力と精神力を常に持たねばなりません。

この観点からすれば、自らの消耗を最小限に抑えるために、余裕のある時間を一定以上準備し、一方で「限られた時間をいかに有効に使うか」を吟味する必要があるのではないでしょうか。

すべての先生方は、これまでよりも1時間早く帰ることを目標に、改めて自らの時間の組み立てをやり直す勇気をぜひお持ちいただきたいと思います。


そしてもうひとつは組織的に動くということ。

学校ではとかく同じ種類の仕事をそれぞれの先生方が個別に実施してしまう傾向にあると感じています。

「今から印刷するけれど、他に印刷物はない?」

「今から教室の見回りに行くけど、●組も一緒に見てこようか?」

そんな声掛けがたくさんある学校は、とても魅力的な気がするのですがいかがでしょうか。

クラス運営では子どもたちに「協力し合うように」と口酸っぱくおっしゃっている先生方でしょうから、先生方どうしの連携もきっと意識し行動できるはず、ですよね。

組織全体で時間の余裕を生み出して、少しでも残業が減らせるようにと願っております。


ちなみに私は『「自分時間」のための段取力』という無料メルマガも配信しております。

もし業務の進め方にお悩みの方がいらっしゃいましたら、こちらをご覧いただければ幸いです。


(文責:吉田)