寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議

以前から採り上げたいと思っていたこのネタについて、本日は書かせていただきます。

学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議


今年8月から文部科学省に設置されている機関で、その趣旨は以下のように記載されています。

 学校図書館活動の充実を図る上では、専ら学校図書館に関する業務を担当する職員(以下「学校図書館担当職員」という。)を配置し、当該職員が、司書教諭等と連携しながら、学校図書館に係る活動に取り組んでいくことが有効である。厳しい財政状況の中、学校図書館担当職員を配置する学校が近年一貫して増加していることからも、その必要性が強く認識されていることがうかがえ、今後も各自治体において、その配置が増加していくことが見込まれる。

 このような状況を踏まえ、有識者等の協力を得て、学校図書館担当職員の役割やその資質の向上に関して関係者が共有できる一定の方針を得るため、学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究を行うこととする。

「各自治体において」と書かれている通り、内容は当然公立校を念頭に置いたものですが、教育環境という意味においては私学においても同様の傾向が見られる、あるいは方向性としてはむしろ私学のほうが先んじて取り組むべき内容ではないかと感じています。


ちなみにこの会議、審議会としては珍しいくらいスピーディーに開催がなされていて、8月2日に第1回の会議が行われた後、先月28日にはすでに3回目の会議が開催されたようです。

3回目の資料は掲載がなかったのですが、2回目の資料はアップされていましたのでご興味のある方はどうぞ。

学校図書館担当職員の役割及びその資質の向上に関する調査研究協力者会議(第2回) 配付資料


この第2回の資料の中で「資料1」として挙がっている資料を見れば、この会議で何をしようとしているのか、ある程度把握することができます。

他の資料を十分検討しないままに私なりにまとめますと、

学校図書館活動の充実を図るという目的のために、専ら学校図書館の業務を担当する職員をどう配置するかを検討する。

●検討の着眼点は2つ。それは学校図書館担当職員の「担うべき役割・業務」と「質の確保を図るための方策」を整理すること。

といったところでしょうか。

今後この方向性に向かって充実した議論がなされることを期待したいと思います。


ちなみに、私がこれまでお聞きした中では、図書館司書に関する課題として

「教員と比べるとどうしても一段低く見られがちであること」

「(専属ではなく)兼務で何とかならないかという話になりがちであること」

「生徒たちの教育成果に大きな影響を及ぼす存在であるはずなのに、校内でそのような認識が希薄になりがちであること」

などを挙げることができます。

上記資料1の中には現状の課題も列挙されており、これらは先ほど挙げさせていただいた私が感じた私学における課題とかなりの部分が重なっているように感じます。


自ら考える力を養うために、図書館の活動というのは実は大きいのではないか、と私は素人ながら感じています。

授業がある程度受け身にならざるを得ないとすれば、自ら学びに行く姿勢は図書館で育まれる、と言ってもいいのかもしれません。

この議論、今後も注視していきたいと思います。


(文責:吉田)


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