今日から10月。ですがここ大阪は少し蒸し暑さを感じるような朝になっています。
さてそんな今日は補助金のニュースを採り上げたいと思います。
記事によると、来年度から私学向けの新たな補助制度ができるとのこと。対象は耐震化のための「改築」。改修のための費用補助はこれまでもありましたが、新たに改築費用に対する助成も始めるそうです。
正直なところ、私は現行制度について十分に理解しておらず、むしろこれまで改築費用に対する補助がなかったことに驚きました。その意味で、来年度からは制度が適正になるのだな、という印象を持っています。
現在の耐震化率を公私で比較(2012年4月時点)すると、
大学…国立89.3%/私立81.8%
高校…公立82.4%/私立73.3%
となっており、私学では安全性が劣る結果になっています。
加えて、私立とはいえ学校施設は地域の防災拠点として機能することが期待される一方で、記事には「災害時の避難所に指定されている全国の私立学校計485校の施設でも、耐震化率は8割に届かない」と書かれています。
私学の耐震化に向けた補助制度を充実させることは国の重要課題と位置付けられている理由のひとつなのでしょう。
ただ一方で、私が知っている私学のほとんどがいわゆる「耐震補強」で耐震化を実現されています。
加えて、少し着眼点は異なりますが、以前弊社で実施したセミナー「学校施設の老朽化にいかに対応するか」に先立って実施したアンケートでも、「古い校舎を今後どのようにメンテナンスするか」という質問に対しては「建替え」よりも「修繕」という回答が上回っていました。
厳しい財政事情を踏まえつつ、少子化が進む将来に向けては、施設の維持管理の重点を「更新」よりも「維持」に置かざるを得ない現実があるものと思われます。
そしてそのことは決して悪いことではなく、むしろ現存の建造物をいかに活用するか、という観点は私学に限らず、社会的に意識すべき課題だと私は思っています。
学校施設にかかる費用は一朝一夕で確保できるものではありません。
ぜひとも計画的な施設計画の立案をお願いいたします。
(文責:吉田)