寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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入試問題でわかる 名門中学が求める子ども

ちょっと面白い記事を見つけました。日経新聞より。

入試問題でわかる 名門中学が求める子ども

(有料会員限定記事となっております。ご容赦下さい)


この記事は連載物の第1回のようで、東京の私立武蔵中学の入試問題を採り上げつつ、そこに込められた学校側の想いについて解きほぐす内容となっています。

武蔵中学は理科の「おみやげ問題」で有名、とのこと。恥ずかしながら、私は初めて知りました。

おみやげ問題というのは、入試の際に問題用紙や解答用紙と同時にある「物品」が配布され、その物品を実際に使いながら回答を模索するというもののようです。記事にはその物品として板状の磁石が配布され、磁石のくっつき方の変化からその特性を回答させるという問題が紹介されています。


そしてこの記事は、武蔵中学がこのような入試問題を通じてどんな生徒を求めているのかが分かる、と述べています。

同中学の教諭のコメントとして

「どの問題にも共通するのは、『どうしてそう考えたの?』という根拠を問うこと」

「知識量よりも、科学的にものごとを捉える姿勢を試している」

と紹介した上で、『「結局答えは何ですか?」と聞くような子は武蔵には向かない』と結論付けています。


私学の入試問題というのは、まさにそのような傾向がある、いや、むしろそのような意図を込めて作るべきである、とすら思います。

いろいろな学校でお話を伺うと、入試については作問から採点、合否決定に至るまで大変な労力がかかっているというご苦労を吐露されます。

確かにその通りなのでしょうが、これは学校と生徒・保護者がミスマッチを起こさないためには避けて通れない、重要な工程なのではないでしょうか。

生徒が学校を選んだり、消費者が商品を選んだりすることは当たり前だと考えられている現代。

がその一方で、選ぶのは必ずしも「買い手」だけではありません。

言葉を選ばずに言うならば、一般企業が顧客を選ぶこと、それ以上に、学校が生徒を選ぶこともあってしかるべき、なのだと思います。なぜなら、学校は自らの方向性、教育理念に基づき教育を実践するわけで、それにマッチする生徒こそその学校に所属することが望ましいから。そして、生徒側からしても、数年をかけて学び続ける場所である学校の方向性や風土が、その生徒の期待するところに合わなければ、大切な数年の期間が損失してしまう危険性すらあります。入試問題はこのようなミスマッチを防ぐために、一定の意図を持って出題されるべきだと私は感じています。


入試の時期が近づくと、それは学校の繁忙期にあたります。

が、入試そのものが学校のあり方を示すものだとすれば、ぜひそこには最大限注力し、学校独自の風土の形成の一助としていくのが理想の学校づくりの不可欠な要素だと感じるのですがいかがでしょうか。


(文責:吉田)

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