興味深いニュースを見つけました。
科学系の部活動…自分の学生時代にも縁遠かった部活動のひとつではありますが、それにしても73%の中学に「存在していない」というのは結構な割合の高さだと感じます。記事によれば4年前に比べてその割合は7ポイントも増加。主な要因は「顧問になるべき教員がいない」ということのようです。
いくつかの私学を訪れても理科の教員不足に悩まれている学校さんは少なくありません。いよいよ理科の教員不足は学校活動に影響を及ぼすレベルになってきたのかもしれません。
ちなみに、この記事の基になっている調査について少し興味がわいたのでたどってみたところ、この調査結果に行き着きました。独立行政法人科学技術振興機構が調査元となっています。
「平成24年度中学校理科教育実態調査集計結果(速報)」の発表について
このページそのものに調査結果の概要が掲載されていますが、
・調査対象は「全国の公立中学校および中等教育学校417校」で「理科主任および理科の授業を担当する1,229名の理科教員」と「13,430名の第2学年の生徒」。(つまり私学は入っていませんね)
・設備備品費・消耗品費は4年前とほぼ同水準。(つまり理科科目における教育研究経費は同水準程度ということでしょう)
・観察や実験の頻度が下がっている。しかも経験年数の短い教員がより低い。
・理科の中でも「化学」が得意な教員が多く、続いて「生物」「物理」「地学」「情報通信技術の活用」。(地学の苦手な先生に地学を教わる…というケースも十分あり得そうですね)
・「学習内容と職業との関連」「学習内容の日常への応用」については以前に比べよく説明されるようになった。
・「理科を勉強すれば私の好きな仕事に役立つ」に対して肯定的に回答した生徒の割合は低くなっている。
・一方で、「理科の自由研究をしたことがある」と回答した割合は増加している。
といった内容になっています。
もうひとつ、調査結果として目を引いたのは、理科とは直接関係のない以下の項目。
・普段の生活に関する質問項目で、「普段の生活が忙しいと感じているか」に対して肯定的に回答した生徒の割合は73%。
・学校の部活動が週に6日または7日と回答した生徒の割合は63%。
同じ質問を私立中学性に投げかけた場合、その回答はまた違う傾向があるのかもしれませんね。
いろんな意味で興味深い調査結果でした。
なお、本調査結果に強いご関心がある方には調査全体のレポートもありますので、そちらをぜひご覧ください↓
(文責:吉田)