先日の朝日新聞に、少々ショッキングな見出しが掲載されていました。
学長の6割「大学多い」 「経営厳しい」36% 朝日新聞社・河合塾調査
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記事によれば、調査対象は大学院のみの大学や募集停止した大学を除く国公私立大学739校で、うち618校から回答があったとのこと。
以下、調査結果の要旨を記します。
・大学数が「多い」と回答…362校(59%)
「適正」と回答…160校(26%)
「少ない」と回答…17校(3%)
・大学数が多いことの影響
「学生の質の低下」…83%
「大学の経営難」…73%
「教育の質の低下」…57%
・定員割れが続く大学への対策が「必要」と答えた割合…70%
・望ましい対策
「定員増減の柔軟化」…全体の8割
「文科省による閉鎖・統合の勧告」…国立大64%、公立大75%・私立大37%
「補助金の削減」…国立大の55%・公立大の46%・私立大29%
・大学の経営状況が「厳しい」「やや厳しい」と回答した割合
…国立大69%・私立大32%・公立大26%
記事にもある通り、18歳人口はここ20年で205万人から119万人まで減少しています。その一方で、大学の数は523校から約1.5倍に増加しています。
マーケット縮小→学生数減→財政悪化
という、ある意味当然の結果がここに現れていると言えると思います。
今回の調査は大学が対象ですが、大学に起こっていることは数年を経て高校にも起こってくると考えてよいでしょう。
私が見る限り、すでに経営が難しくなっている学校だけでなく、数年のうちに大規模な支出(校舎の更新、退職金の支払など)を控える学校も含め、私学の財政問題は深刻さを増していると思われます。
ただ、上記調査結果にも出ているように、私学は「経営状況が厳しい」と回答した割合は意外にも低くなっています。
このことは、「将来に向けての資金的な手当てができている」という学校法人さんが相当数存在していることも示しています。
結局のところ、学生・生徒が集まる学校とそうでない学校で、経営安定度にかなりの差があるというのが実態なのだろうと感じます。
どうやってこの難局を乗り切るか。
同じ朝日新聞に、こんな記事も掲載されていました。
大学間連携に活路 コストかけず新講義や教材 朝日新聞社・河合塾調査
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単位互換や教材開発などで連携が進んでいる、という内容が記載されています。
大学のみならず、私学においてもヒントになる事例ではないでしょうか。
ちなみにこの調査、2011年度から開始されているそうで、他にもいろいろな項目で大学の回答を得ていらっしゃいます。過年度のデータはこちらに掲載されていますので、ご参考になさってみてはいかがでしょうか↓
(文責:吉田)