昨日はある学校法人さんを訪問。
またいろいろとお話を伺いました。
その中で出た話のひとつが今日のテーマ。
「人事考課制度=いわゆる評価制度」の導入はいつが望ましいのか…
このようなことを正面切って考えたことはあまりなかったので、
非常に良い気付きをいただきました。
人事考課制度のメリットのひとつに、
「評価基準を事前に明示することで、同一の基準で対象者全員を評価できる」
という点を挙げることができます。
教職員数が一定数を超えると、等しい基準で全員を評価することが難しくなる。
だからこそ評価基準を明確にし、その基準に照らし合わせて評価することで評価が平等に実施できる、ということです。
ただ、このことを逆から言えば、目が届く範囲の教職員数であれば、
特にこの制度は必要ない、ともいえるわけです。
管理職が全教職員の言動を把握できるのであれば、
個々の教職員と勤務内容について十分な意見交換を行い、
良かった点や改善点を確認し合えばそれで済むわけです。
つまり、わざわざ人事考課制度というしくみを導入する必要性は薄まります。
また他にも、人事考課制度には「評価者の手間が大幅に増える」という、
学校の現場にとっては非常に大きなデメリットもはらんでいます。
この点を十分に考えることなしに制度を導入することは、
導入しないケースよりも組織統制が困難になると、私は考えています。
つまり、評価し、その結果を対象者にフィードバックする時間を確保せぬまま制度運用すると、この制度への不信感は高まり、さらには管理職自身への不信感になってしまう…ということです。
このように、人事考課制度にはきちんとわきまえておくべき特徴がいくつも含まれています。
ですので正直なところ、私たちはこの人事考課制度導入には慎重な立場を取っており、決して積極的ではありません。
自校の状況に応じて、時間をかけて十分な検討を実施していただくようにお願いします。
(文責:吉田)
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