本日は昨日の続きをお伝えすることにしておりました。題材はこちらです。
この中で指摘のある「教職員の勤務体制」。
土曜授業を新たに始めるとなると、勤務時間が今以上に多くなることから、法令の要請に応えられない…
ということが想定されているものと思われます。
この指摘を見る限り、やはり週40時間制を学校にあてはめるのは非常に難しい、ということが分かります。
とすれば、同様の勤務体系を持つにもかかわらず、公立校には公務員法、私学には労働基準法による規制を求めること自体に
無理があることがようやく認識されつつあるのかもしれません。
以前のブログでもお伝えした通り、学校には1年単位の変形労働時間制が最適だと考えられますので、
まずは私学各校にこの制度の導入を図ることをお勧めしたいと思います。
が、問題は「制度だけ導入しても働き方は変わらない」ということ。
意識や考え方を変えないと、勤務時間はどんどん延びてしまうのです。
一昨日、弊社に来客がありました。学校関係者さんと、学校に関わる専門家さんです。
そして、両者から同じ質問が飛び出しました。
「どうすれば仕事を早く終えられるんでしょうか…?」と。
お聞きすると、毎日遅くまで仕事をしている教職員さんが後を絶たず、早く帰れと指導してもなかなか帰ってくれない。
一方で、勤務時間中に休憩をとるように指導しても、休憩をとるくらいならその分だけ早く仕事を済ませて帰りたい、
との反発が。
そうおっしゃる方ご自身も、長時間勤務が日常になっているとのことでした。
実は私の勤務するこの会社も、10年前は同じ状況でした。毎日の退社時刻は21時以降。
が、今はほぼ全てのメンバーが18時に退社します。
こうなるまでに5年以上の年月を要しましたし、この成功の要因はひとつではありません。
が、最も強く影響した要素は「ロックアウト」だと私は感じています。
ロックアウトと言っても労働争議の対抗手段ではありません。単に「事業所の鍵を閉める」、それだけのことです。
私たちの事務所では、あるとき、19時に鍵を閉めることを決めました。
決めた直後は「それでは仕事が終わらない」の大合唱でした。が、実際にやってみると…十分に可能なのです。
現在、当社は完全フレックスタイム制ですが、それでも19時以降に会社にいるメンバーは「毎日ゼロ」です。
振り返って思うこと、それは「勤務完了時刻を決め、それを徹底して運用する。例外を作らない。」
これが一番のポイントだということ。
こういうルールを作っても、「自分は例外だ」と、誰しもが考えます。
が、それは絶対に許さない。全員に等しく適用するのです。
経営者だろうが幹部だろうが管理職だろうが一般教職員だろうが、全員が同じルールに服するのです。
だからこそ、ルールは機能するのです。
そして「早く帰れ」ではなく、「○時に鍵を閉めますよ」と時刻を明確にすること。
その際、現場に精通した方が「その時刻なら問題なく帰れるはずだ」と確信が得られる時刻を設定すること。
本当に無理な目標であれば誰も従ってくれません。
学校という場所は、いろいろな突発事象があって、時間で区切ることが難しい職場であることは百も承知しています。
がそれでも、長時間勤務を解消するためには、こうやって時間を区切ることがどうしても必要だ、とも思っています。
終了時刻を決めることはすなわち目標を設定することと同じです。
「とりあえずやせたい」と思うよりも、「○kgやせる」と決めることでダイエットが成功するように、
「なるべく早く終える」という目標と、「○時までに終える」という目標のいずれが優れているかは、
今さら言うまでもないでしょう。
そして退勤時刻を決めることで、集中力も上がり、それだけ仕事の質も上がるものなのです。
まずは手の届くところから始めませんか。
例えば毎日21時くらいが退社時刻になっているなら20時をロックアウトの時刻にする。それができたら19時に。
終了時刻を前提にして業務を組み立てれば、すべての仕事を計画的に終えなくては、という意識が格段に強くなるはずです。
そしてそのことだけで、退勤時刻は早くなるものです。
長時間勤務にお悩みの学校さんは、ぜひ取り組んでみて下さい。
そして、もし取り組むなら、あくまでも「本気」でやってみて下さいね。
効果はてきめんであると確信しています。
(文責:吉田)