今日から7月。梅雨明けから夏本番へと進んでいく、そんな季節を迎えましたね。
夏休みも近づいてきましたから、楽しい気分を後押しするような話題があれば…と思っていたのですが、
先週末、非常にショッキングなニュースが入ってきましたのでそのことに触れさせていただきたいと思います。
下校3児童切られけが 刃物所持容疑、逃走の男逮捕 東京・練馬
事件の容疑者への取り調べが進んでいる最中のようですので、あまり詳しいことは分かりませんが、
どうやら当日の早い時間から不審な車が現場周辺に停車していたとの情報もあるようです。
動機はさておいても、児童や生徒にとって危険な状況はあちこちに潜んでいるのが現実なのかもしれません。
いろいろな学校をお邪魔してお話を聞く中でも、近年は安全対策に特に力を入れておられる学校さんが多くいらっしゃいます。
校門が閉ざされ、周囲は高くて厚い壁に囲まれるなど、以前のように学校に簡単に出入りできる状況ではなくなりました。
このような事件が起こる以上、仕方のないことなのかもしれませんが、
その一方で、このような対策にハードを用いることの限界も感じざるを得ません。
そこで活用されるのが登下校指導、でしょうか。
これもあちこちの学校に訪れるたび思うことですが、登下校指導を行う学校も数多く存在しています。
お忙しい中、授業を受け持つ先生方が校門の外に出て、子供たちに声をかけていらっしゃる姿を見かけます。
ただ、この登下校指導というのは、子供たちの安全を守ることもその目的の一つながら、
先生方の声のかけ方を拝見していると、どうやら子供たちの通学態度を改めるための指導であり、
危険を察知した際にすぐに行動を起こせるように、との意識をお持ちの方は多くはないようにも思います。
そもそも登下校『指導』という名称からしても、「登下校時に子供が問題を起こさないように」という視点での
活動になってしまっているのかもしれませんね。
ただ、普段からお忙しい先生方にすべてを求めることはできないと、私は思います。
というより、本来、子供たちを守るということは学校の教職員さんに任せるべきではないと思うのです。
奇しくも今回の事件においても、下校を見守っていたお年寄りの男性の存在が、
最悪の事態から子供たちを救っています。
私自身の小学生時代を振り返っても、その安全を守ってくれていたのは、
他ならぬ近所の大人たちの存在であったことをはっきりと思い出すことができます。
地域が子供たちを守ること、それが本来の姿ではないでしょうか。
公立校の場合には、地域との交流も自然と進む傾向がある一方で、
私学の場合、必ずしも子供たちがその地域の子供たちではない、という事情があり得ます。
そんなときにも地域が学校とともに子供たちを守る存在であると言い切れるように、
普段から地域との連携を意識すべきだと感じます。
今回の事件が改めてひとつの教訓になったような気がしています。
(文責:吉田)