週末の新聞でこのニュースに注目しました。
記事によれば、大学新卒者や社会人経験5年未満の若年層が主な対象の「一般選考枠」の応募は8,596人。
前年が9,775人だったとのことなので実に1,179人の大幅減少。割合にして12%の減です。
これは人口減の影響だけとは到底思えない減少幅です。
「おおさか教志通信」第138号にはそれぞれの校種別の志願者数が掲載されていましたので、
ご参考までにそちらも以下に転載させていただきます。
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小学校 3,171名(倍率3.5)
小中いきいき連携 192名(倍率 - )
中学校・特別支援学校中等部 3,339名(倍率5.3)
高等学校・特別支援学校高等部 3,543名(倍率6.4)
特別支援学校小学部、幼稚部・小学部共通 301名(倍率6.0)
養護教諭 588名(倍率19.6)
栄養教諭 168名(倍率16.8)
自立活動教諭(肢体不自由教育) 5名(倍率 - )
(注)倍率は、採用予定者数を基準とした志願者数に対する倍率です。
小中いきいきは、小学校に含んでいます。
現在、願書の精査中ですので、変更の可能性があります。ご了承ください。
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以前、ある私学の先生にこんな話を聞いたことがあります。
「今、学校の教員というのはとてつもなく大きな志を持っていないと務まらない職業になっている。
長期の休暇が取れたのはもはや昔の話で、今は単発の休みを取ることすら難しく、日常的には残業の嵐。
保護者や社会からの視線も厳しく、その対応に心身ともに疲れ果てる。
かといってその分給料がいいかと言えば公立校はそんなことはない。
それを知ってでも教師になりたい、という、よほどの気持ちがある人が教員になっているのが現実」と。
確かに学校の現場は他の職業に比べても過酷であるという現実はあるでしょう。
その中で、心身が壊れてしまう教員の方の事例も枚挙に暇がありません。
が一方で、学校の教員だからこそ味わえる喜びも数多く存在します。
卒業生がいつまでも恩師のことを忘れずに人生を送る点などはその最たるものです。
教員の志願者減という現実は、志を持つ人が減った、というわけではないと私は思います。
あまりにも過酷な現実に志だけでは立ち向かえなくなった、ということなのではないでしょうか。
だからこそ、学校には業務全般の見直し、働き方の工夫が必要だと思うのです。
これまでのやり方をもう一度振り返り、新たな働き方を模索する。
学校現場に求められているのは、そんな当たり前のことであろうと確信しています。
(文責:吉田)