物事を左から見るか、それとも右から見るかによって、その物事が大きく違って見えることがよくあります。
昨日、ナイター中継を見ながらそんなことを考えていました。
緊迫した状況で、ピッチャーが「決め球」を投げるその瞬間。
自分がどちらのチームを応援しているかによって、きっとこのシーンは全然違ったふうに見えるのだろうな、と。
今日見つけたこのニュースも、まさにそんな感覚を抱きました。
この記事を見ると、私学に子供を通わせる親の負担がいかに重いものかを改めて思い知らされます。
小学校から大学まで、すべて公立校に通わせた場合の教育費は約680万円。
これに対し、同じく小学校から大学まですべて私立校に通わせた場合の教育費は約1,985万円。
その差は1,300万円。大変な金額です。
高校だけに限ってもその差は約160万円と、一般家庭にとっては非常に大きな金額になります。
…と、これは「家庭側」「消費者側」「支出する側」から見た場合の教育費。
では「学校側」「供給者側」「受領する側」から見た場合にはどうなるでしょうか。
このブログをお読みの方のほとんどは後者に属する方々でしょう。私もそうです。
この場合、いかにしてたくさんのお金を学校に入れてもらうか、という視点で考えるのはある意味当然のこと。
そうすると、「入学金の値上げ」「授業料の値上げ」「寄付のお願い」などなど、
収入を増やすための方法をいろいろと考え、それを実行するために手を尽くすわけです。
非常に勝手で偏った見方ではありますが、私自身の経験と感覚のみによるならば、
学校がこのような「収入増の施策」を打つ場合に考慮する事柄というのは
・反発を招かない値上げ幅の上限とは、感覚的にいくらぐらいなのか
・前回の値上げはいつだったか、また値上げ幅はどのくらいだったか
・値上げの理由をどのように伝えるのが効果的なのか
といったことが優先されているように感じます。
もちろん、これらのことが重要であることに間違いはないわけですが、
支出側からすれば、お金を払う以上、その見返りを期待するのが一般的な反応ではないか、と思うのです。
学校に支払ったものの見返りとは?
それは何より、教育効果でしょう。
施設の充実や安全対策など、ハード面への投資はもちろん値上げの理由になります。
がそれ以上に取り組むべきは、教育内容というソフト面をいかに高められるか。
そして、各校のカラーをしっかりとそこに映し出せるか…そういったことではないでしょうか。
我が子の健やかな育ちのために教育費を支払う以上、いかに施設が素晴らしくても、
子供の育ちが実現されなければ不満を抱かれるのは当然とも言える帰結です。
この5月から、電気代が値上がりしました。
電力業界は寡占(独占)状態ですから、コストがかさむから値上げをする、ということが許される、数少ない業界と言えます。
そして、この電気代の値上げに対するあなたの納得度がもし低いなら、これがまさに、
内部の論理だけで値上げをすることが理解を得られにくい、ということを物語っていると思います。
学校も少し以前まではこれに近い業界だったかもしれません。が、今はそうではありません。
今一度、教育費を「支出する側」の感情を推察してみる必要があるのではないでしょうか。
(文責:吉田)
※次回セミナーが明後日に迫ってまいりました!お申込はこちらまで☟