寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

学校のマーケティングを考える

今朝、ちょっと面白そうな記事を見つけました。


教育費の負担は、親の愛情?義務?それとも投資?」という表題で、Benesseさんが提供されているサイトに記事が掲載されていました。

(記事全文を読むには会員登録が必要です。ご了承ください)


こういう観点で教育費を捉えるというのが面白いですよね。

確かに愛情でもあり、義務でもあり、投資でもある、ような…

何か特定の結論が出るわけではありませんが、その視点そのものがとても興味深く感じました。


そして、この視点を借りるなら、学校側のマーケティングも整理しやすいのかも、とふと思いつきました。


保護者が負担する教育費、学校側から言えば納付金(授業料や入学金等)となります。

この納付金が補助金と並んで学校の『2大収入』と言っていいと思いますが、

ではその納付金をどうやって気持ちよく収めていただくのか。


授業料=親の愛情だとすれば…

親あるいは子供の期待に応える、ということがマーケティングの原点になりそうですね。

つまり、ニーズ(顕在的な欲求)に応える、さらにはウォンツ(潜在的な欲求)を発掘する。

今や希望は人によって千差万別ですから、そのそれぞれを実現するための環境を整えることは

学校にとって非常に手間のかかることになりそうです。

が、授業料が愛情の化身であるなら、その手間をむしろ取りに行かねばならないのかもしれません。


授業料=親の義務だとすれば…

「一般的な教育水準」を意識することが重要になりそうです。

つまり、義務的支出としての教育費が、社会常識的なアウトプットをもたらすかどうか。

突飛、あるいは奇抜な発想よりも、王道を行く教育内容と教育成果が必要になる、そんな考え方でしょうか。

特色化が進んできたとはいえ、根底には昔ながらの学校運営というものが根強く残る学校業界。

一般的、常識的な教育といったことに対しては、どの学校も、それほど無理なく対応できるのかもしれませんね。


授業料=親の投資だとすれば…

投資効率を意識せざるを得ない、ということになります。

投資に対する回収が何を指すか、をしっかり考えねばなりません。

有名大学への進学なのか、有名企業への就職なのか、あるいはその先の豊かな人生なのか…

投資効率、という言葉からは無機質なものを感じるかもしれませんが、その実、

我が子の行く末を案じる親心という、何とも人間味あふれる感情が生み出すものが投資効率につながるのでしょう。


個人的な感想としては、学校も選べる時代に突入しつつある現代において、

『義務』としての教育費を捻出してもらうことだけでは、その学校を選ぶ理由がなくなってしまうような気がします。


選ばれる学校になるための方法を考えること、それが学校のマーケティングではないでしょうか。

親の愛情、義務、そして投資としての教育費を喜んで支払っていただける学校。

それがマーケティングの目標達成ということになりそうです。


以上、他人のふんどしで相撲をとった気分の、吉田がお届けいたしました。

(貴重な視点を提供していただいたBenesseさんに心から感謝申し上げます)