寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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高校教員の 17.7%が大学の「秋入学」に賛成、反対は36.3%。高校生の意識とは対照的な結果に

以前のことになりますが、東京大学が秋入学を検討することが一時話題になりました。

私自身、入学時期が国際的にまちまちであることを知ったのは大人になってからでしたので、

学生時代はそんなことも考えずに4月~3月のサイクルを繰り返していましたが、

なるほどそういう議論は確かにあってもいいのだろうと、この問題提起を通じて考えた次第です。


そして先日、同僚がこんなニュースを見つけてくれました。

株式会社リクルートマーケティングパートナーズによる調査結果です。

高校教員の 17.7%が大学の「秋入学」に賛成、反対は36.3%。高校生の意識とは対照的な結果に。

調査結果としては、このレポートや記事の表題にある通り、

学生は賛成派が多いが、教員は反対派が多い

と読めるわけですが、賛否の理由を見て行くと、

「高校卒業から大学入学までの期間をどう活用するか」

という点について、学生は希望を抱き、教員はやや悲観的に考えていることが

これだけの差を生んでいると言えます。


両者には立場や経験の差もありますから、この結果に目くじらを立てるのは筋違いかもしれませんが、それをさておいても私は2点、気になったことがあります。


1つは、日々の教育活動の前提が「信用」ではなく「不信」になってはいないか、ということ。

教育の原点は「信じ合うこと」にあるはず。

万一、教師が生徒を信じられない=性悪説での活動に終始することは、

学校の存在を寂しいものにしてしまうのでは、と危惧します。

長期の空白期間はムダ、と断じることは、その延長に不信感が見え隠れしているようで、

やはり寂しさを禁じ得ません。


もう1つは、「できない理由」が先になってはいないか、ということ。

何か新しいことをやろうとするときに、とかくそれに抵抗しがちな方もいらっしゃいます。

もちろん、何でもかんでもやってみたらいい、とは決して思いません。

が、その逆もしかり。何でもかんでもやらない方がいい、あるいは全て今のままでいい、という発想や行動も、前者同様に思慮が足りないように思います。


生徒たちによりよい未来を、という視点で、今後もこの議論が活性化していくことを望みます。

(文責:吉田)