昨日に引き続き、「平成24年度学校法人監事研修会」より。
珍しく「連載」になりますがご容赦ください。
3つの大きな話題があった当該研修会の中で、
配布資料のボリュームが一番小さかった(!)のが本日採り上げるテーマ、
「変化する時代の学校経営と監事の役割」
です。
ただ、資料のボリュームが小さいとはいえ、レジュメとしての役割は
十分に果たせていると思います。当日はこんな内容が扱われたようですね。
(以下、文科省HP「平成24年度学校法人監事研修会次第」より転載)
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1 私立学校法に規定する監事の役割
はじめに 監事の定義 法人の業務の監督役(国語辞典から)
(1)私立学校法の成立とその背景
(2)学校法人の設立と私立学校の設置認可
以上の項において、「監事」の組織上の位置について説明する。
なお関連法規として、公益社団法人及び公益財団法人の認定に関する法律、
(3)学校法人の運営と理事会、評議員会
(4)学校法人の役員、理事長、理事、監事
以上の項において、私立学校法(以下私学法という)における
役員としての監事の立ち位置、役割を解説する。
2 監事と監査
(1)監査
監査とは?(audit,compliance・・・)
(2) 会計監査と業務監査
法人の業務の範囲と方法、特に最近必要とされてきた教学監査とは?
(3) 会計監査と外部監査との関係
(4) 必要な知識 学校法人会計基準(私学振興助成法による)
(5) 企業の決算監査と学校法人の決算監査
以上の項をまとめて私学法にさだめる監事による決算監事監査と
私学振興助成法に定める監査法人(または公認会計士)の監査との
法規上の報告書の取り扱いを論ずる。
(6) 二種類の監査報告書
今後どんな形でこの問題が解決されるのか?現在の論点を示す。
3 講演終了にあたって
監事の役割の必要上,修得しなければならない法律は(私学法、学校法人会計基準)であること。
学校法人の監事と、企業の監査役との相違を知ること。
時の言葉「学校法人における黒字、赤字」を解説する。
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(以上、文科省HP「平成24年度学校法人監事研修会次第」より転載。
文の区切り方等、表現は少しだけ変えております。また、赤字は筆者によるものです)
ちなみに、赤い文字で記した文言が、個人的に気になった部分です。
不勉強をあらわにしてしまってお恥ずかしいのですが、
「教学監査」については、その言葉を初めて知りました。
言葉が指す内容については概ね想像できる
(教育、あるいは授業の質の確保を目的とする監査、ということかと)
のですが、この点も必要に応じて今後勉強していきたいですね。
そして、この記事を読んで、以前学んだことのひとつに、
『「内部の監査人」と「外部の(会計)監査人」の違い』
というものがあったことを思い出しました。
その違いとして最たるもの(と私が理解しているもの)は、
外部の会計監査人は「適法性」の監査を行うことが求められるのに対し、
内部の監査人は適法性だけでなく「妥当性」も判断できる、あるいは判断すべきである、ということ。
そして、会計監査人はその名の通り「会計処理」が適法かどうかということを監査するのに対し、
内部の監査人は会計のみならず「業務そのもの」の適法性、妥当性を監査する、ということ。
監事、という役職はともすると
「役員(理事+監事)の中では少し影が薄い存在」
になってしまうこともありますが、
適切な経営のためには非常に重要な役割を担っていると言えます。
監事の人選においては「不偏公正」というだけでなく、
「自校の経営をよく知っている」「組織の内部統制に明るい」「コミュニケーション能力が高い」
等の要素についても、十分留意したいものですね。